2011年 印象に残った約100冊の書物たち

ある哲学者のブログに触発されたので、私も自分なりに、2011年刊行された新刊を中心に、また、刊行年を問わず2011年に目を通したり読んだりしたものも含めつつ、自分の印象に残った書物を挙げてみたいと思います。およそ100冊ですが、巻数を重ねるものはひと…

シナリオ教室から〈BDコレクション〉まで、そしてこれから

Twitterを公私にわたって使っているうちに、ブログ更新の折を見つけられず、久々に書く。 というよりも、国書刊行会から昨年の11月から今年の1月まで、毎月刊行するための編集作業など、 2010年フリー編集でやってきた仕事を回顧を、いまごろできる次第であ…

11月より〈BDコレクション〉刊行開始です。

11月より(店頭発売日未定)、国書刊行会から、フランス・コミックであるBD[ベーデー/ベデ、「バンドデシネ (Bande Dessinée)」の略、描かれた帯が原義]の本邦初の叢書、〈BDコレクション〉が刊行されます(全三巻)。右写真、本コレクションのロゴマー…

東横線のにくいCM

振付とメロディ(「噛むとフニャンニャンニャンニャニャン〜♪」でお馴染み)がコミカルなロッテガムFit'sのCMの出来映えは見事で、フニャンニャンと柔らかい新触感だけではなく、40分も味が長続きするということを、電車の乗車時間で計測したという設定で、…

ある評論家の『心変わり』考

熊倉千之*1という評論家が、USTREAMで、『心変わり』を述べていた。http://www.ustream.tv/recorded/4065543 公開講座など、どこかの大学での一コマだろうか。江藤淳が酷評したという倉橋由美子『暗い旅』*2について少し触れていたようなので、栗原裕一郎氏…

若かりし日の小説家ビュトール

ina.frに〈Michel Butor à propos de "La Modification"〉という動画があった。La Modificationを刊行してまもなくのインタビューである。

専門家と好事家

10:33 荻原魚雷氏『活字と自活』(本の雑誌社)*1を読んでいる。すっきりとした文章からほの見える文士の気構えが快い。活字というだけあって、組版の工夫(フォント、見出し、写真の使い方など)も昔の雑誌風になされている。真っ直ぐないい本だ。 # 10:40 …

17:20 @gratia52 自分も追いつけないですね。いちいち言葉にしてツイートしてられません。 # Automatically shipped by LoudTwitter

北野武監督「アウトレイジ」パンフレット

間もなく公開(2010.6.12)の映画、北野武監督作品『アウトレイジ』のパンフレット制作編集をお手伝いしました。ヴァイオレンスだけどユーモラスな作品。鈴木慶一の音楽もかっこいいです。

本を読むように考えること

04:05 時間がなくても人は本を読む時間を持てる。というのは、人は勝手に自分でこしらえた本を読むように考えているからだ。本を読みたいということは、人の本=思索を辿りたいということであり、コミュニケーションの創発を期待しているところがある。ただ…

lecture de La Modification de Michel Butor

Michel Butorの小説、La Modification*1の朗読模様。音響・映像を駆使するとどうしても、現代音楽のように空々しく*2、大袈裟な調子になってしまうのだが、ビュトールの冗長的な文章のリズム、読んでいる感じを出そうとすると、たしかにこんなイメージになっ…

人間的時間

04:01 眠いのだが、まだやることがあるから眠くない、そうも言える。やることがなければ、人は自然に寝る。相手あっての仕事なので、一気にやらなくてはいけないときがどうしても来る。ゆっくりじっくり読みたい本、考えごとに、風景が、瞬間に浮かぶ。こう…

ジュール・ヴェルヌが描いた横浜

ジュール・ヴェルヌが描いた横浜―「八十日間世界一周」の世界 (慶應義塾大学教養研究センター選書)作者: 新島進出版社/メーカー: 慶應義塾大学教養研究センター発売日: 2010/04/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 日本ジュ…

住まいを移すこと、あるくこと

町田から荻窪への引越が無事、引越のサカイによって、難なく完了した。サカイ、さすがはプロで、一挙に本の入った段ボール二箱を抱えて、機敏に動く。休憩は10分程度の一回のみで、手際の良さに驚く。人数はたったの3人ながら、素晴らしい機動力であった。 …

本のメルマガ推薦文、書きました。

追記。先日のブログでもふれた通り、新刊の岸川真著『だれでも書けるシナリオ教室』(芸術新聞社)の宣伝文(「シナリオは「だれでも書ける」は本当である」──『だれでも書けるシナリオ教室』を編集し終えて──)を、[本]のメルマガ*1に書きました。http://…

『だれでも書けるシナリオ教室』イベント告知など

来る5月7日、新刊『だれでも書けるシナリオ教室』(芸術新聞社)トークショーを行います。先にも『フリーの教科書』でやりました、三省堂書店神保町本店さまです。amazonでも一時、映画本部門1位になるなど*1、何の宣伝もなしにぐぐっと出足好調、話題沸騰の…

だれでも書けるシナリオ教室

4月7日に、岸川真著『だれでも書けるシナリオ教室』(1850円+税*1、ISBN:9784875861898)が芸術新聞社から出ます。amazonでもどうぞ。だれでも書けるシナリオ教室作者: 岸川真出版社/メーカー: 芸術新聞社発売日: 2010/04/10メディア: 単行本(ソフトカバー…

『ストリート・ウォッチング』

『ストリートウォッチング』という本の仕上げを担当したのですが、著者みずからデータで作ってきたのですが、写真・イラスト保存形式も荒く、データから何からかなり修正。内容もつっこみどころ満載、ではありますが、まあカワイイ本に仕上がっているのでは…

『人間になるための芸術と技術―ヒューマニティーズからのアプローチ』〜人文学のありかたについて本気で考える本

新聞だか雑誌だかでの小さな前評判と、題名から察するに間違いなく面白そうだと思い、購入。 これがメチャクチャに面白い! 日本の人文学の来し方行く末を真剣に考察している。時間がないのでひとまず観想は措くが、大学の人文学のありかたはもちろん、人文…

2010年、本の買い初め

謹賀新年。 今年はどんな本が作れるか。環境が変わることで、作りたい本作る本も変わることでしょう。 先に、荒川洋治さんがラジオで話していた本の買い初め。一冊だけすっきり選べると気持良いのだけど、 例のごとく、気になる数冊を一気に買ってしまいまし…

山地としてる写真集『豚と共に』〜幸福なものたちの写真

山地としてるという写真家が、自前で発行した『豚と共に』という写真集がある。 91枚の写真のうち71枚の写真がモノクロ、終わり20枚がカラー写真で構成されている。 これだけ多幸感あふれる写真集を見たのは、はじめてのことではないかと私は思った。 対象物…

「壁の本」〜街のテクスチャアを集めた壁写真

壁の本作者: 杉浦貴美子出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2009/09/02メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見る 壁の肌理に注ぐもの 街中に絵があふれている。 帯文にそう謳われるとおり、壁写真の画集というべき本…

頑張れ!双書Zero

筑摩書房から〈双書Zero〉シリーズが創刊されます。 敏腕編集者Iさんの立案企画。 装幀はミルキィ・イソベ氏。理論社の素晴らしいYA新書〈よりみちパン!セ〉シリーズ、河出の〈14歳の世渡り術〉シリーズを凌ぐか?! 1周年したときに、相貌は見えてくるでし…

「シネリテラシー」創刊

著者さんとの付き合いで、「シネリテラシー」という機関誌第一号を、今月半ばに出します。少部数ゆえ、ご購入希望の方は版元ドットコムにて。なお、第15回 KAWASAKIしんゆり映画祭2009の会場でも販売いたします。 序――映画は世界市民へのパスポート…………004ア…

またまた草森本の登場。

草森本、ラッシュは続きます。河出からまた『本の読み方 墓場の書斎に閉じこもる』出ます。草森さんこそ、正真正銘の「本人 hon-nin」だ。彼ほど本を読んでいる人はなかなかお目にかかれない。 いや、もうお目にはかかれない。本人にお会いできない、それが…

7月購入検討本

新刊・既刊・古書含みます。*1 追加書目7/23 ●長谷川一『アトラクションの日常』(河出書房新社) ●青山南『旅するアメリカ文学 名作126』(アクセス・パブリッシング) ●徳永康元『ブダペストの古本屋』(ちくま文庫) ●堀江敏幸『彼女のいる背表紙』(マガ…

草森本続々刊行!

草森本がまたまた出ます。フィルムアート社から、草森紳一著、大倉舜二さん写真による『フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎』が出ます! フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎作者: 草森紳一,大倉舜二出版社/メーカー…

新出版社・羽鳥書店

本屋といっても、書店ではなく版元。羽鳥書店という出版社ができておりました。*1 羽鳥さんはもともと東京大学出版会の編集者のお方*2。どんな本を出すかというと、ぼくの興味からいうと、東大出版会のPR誌「UP」に連載していた『かたち三昧』(高山宏)。こ…

どでかい買い物

なかなか手に入らなかったヴァレリー・ラルボー全集(全巻揃10巻、ガリマール)、草森本のほぼ全てを、日本の古本屋やamazonを駆使して、入手*1。ラルボー全集は神保町田村ではなく、高円寺戸都丸で購う。 ラルボー全集の状態もよく、まだ封切りされておらず…

ここ最近の注目本

何と言ってもまず慶賀すべきは、草森紳一の大連載、「中国文化大革命の大宣伝」が上下巻として刊行されたことです。終刊となった「広告批評」で、1989年から長きにわたり連載されていたものをまとめたものです。 中国文化大革命の大宣伝 上作者: 草森紳一出…