シナリオ教室から〈BDコレクション〉まで、そしてこれから

BDコレクション三冊背



Twitterを公私にわたって使っているうちに、ブログ更新の折を見つけられず、久々に書く。
というよりも、国書刊行会から昨年の11月から今年の1月まで、毎月刊行するための編集作業など、
2010年フリー編集でやってきた仕事を回顧を、いまごろできる次第である。



ストリート・ウォッチング―路上観察と心理学的街遊びのヒント

ストリート・ウォッチング―路上観察と心理学的街遊びのヒント

だれでも書けるシナリオ教室

だれでも書けるシナリオ教室

芸術と心理療法―創造と実演から表現アートセラピーへ

芸術と心理療法―創造と実演から表現アートセラピーへ

アウトレイジ [DVD]

アウトレイジ [DVD]

*1

解決志向介護コミュニケーションー短期療法で家族を考える

解決志向介護コミュニケーションー短期療法で家族を考える

教育者・今村昌平

教育者・今村昌平





なかでも、〈BDコレクション〉は企画成立までも大変だったが、編集作業だけでなく、叢書の立ち上げから、パンフレット作成、HPの立ち上げ、ブログにTwitter、書店イベントが連動で「死ぬかと思った」ほどである。とりわけ、第三弾『アランの戦争』は難産で、泊まり込みの日々が続いただけに、産みの親の心よろしく、可愛い一冊に仕上がった。どれもグラフィック・ノベルとして楽しめる、日本ではなかなか読めないガイブンだとぼくは思っている。

イビクス――ネヴローゾフの数奇な運命 (BDコレクション)

イビクス――ネヴローゾフの数奇な運命 (BDコレクション)


墨絵のような淡くも幻想絵画を味わうように読める。アレクセイ・トルストイ原作だけあって、物語も十二分に面白いと評判。
*2

ひとりぼっち (BDコレクション)

ひとりぼっち (BDコレクション)


サイレント映画のような緊張感と、辞書遊びによって、想像力の画が次々とはじけ飛ぶ。
*3

アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録 (BDコレクション)

アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録 (BDコレクション)


字幕のように文字がびっしりの、戦争バンドデシネ。ヨーロッパ放浪記のようにも読める。アメリカの若者がヨーロッパでの戦争体験を経て、ヨーロッパそのものを求めるようになるアランの、数々の出会いや日常の細かな時間がゆくりなく流れる。
*4


今年はどんな編集の仕事をするだろうか。さすがに少しペースは落とすし、落ちざるを得ないが、自分学問を再開するための準備をはじめている。
とはいえ、今月は厳しいと思うが、近々、また次の本をあげる予定だ。阿久津主税『将棋のチカラ』(白水社)という本である。


将棋のチカラ

将棋のチカラ



他社本の紹介というか、自分のための購入備忘録は、時間を喰うばかりなので、暇なときにだけやることに。
やらなくてはならない課題が多すぎるので、やはりTwitter程度のつぶやきになってしまうかもしれない。
面白い企画は時間をかけて温めようと思う。

*1:もちろん映画ではなく、映画のパンフレットの編集・作成である。

*2:帯推薦文は、海外マンガの翻訳家・評論家の第一人者、小野耕世氏。小野さんには、イビクス来日のさい、渋谷のタワーレコードトークショーもお願いし、大変にお世話になった。ガイブン読みの豊粼由美さんがテレビに雑誌にと、大プッシュしてくれている。

*3:帯推薦文は、精神科医・文芸評論家の斎藤環氏。近々、BSブックレビューにて、堀江敏幸さんが取り上げてくれる予定

*4:帯推薦文は、作家の堀江敏幸氏。