2007-01-01から1年間の記事一覧

古川日出男がNight

古川日出男の新刊記念イヴェントが終わった。12月中に4回も書店を回って宣伝していた訳だが、ぼくはそのうち2回も行ってしまった。 はじめに足を運んだのは、〈Night 夜 @青山ブックセンター六本木店〉。写真を後ほどアップするが、abcの店員さんが…

2007年最終月

【文芸その他】 [rakuten:book:12611806:detail] 「文學界・別冊文藝春秋」 「オール讀物」編集長を歴任した名物編集者による 珠玉の文壇回想エッセー集 収録作家: 池波正太郎、菊池寛、司馬遼太郎、立原正秋、 田中小実昌、永井龍男、平岩弓枝、藤沢周平、…

一つの可能性

過ぎし11月3日(土)、 マチネ・ポエティカ主催、BankART 1929 共催による、リーディングパフォーマンスライブ「一つの可能性 text by ミシェル・ビュトール『段階』 D'après "Degrés" de Michel Butor, Editions Gallimard pour l'œuvre originale」が横浜…

仏文学会@関西大学

関西大学で行われた二日間の仏文学会。出展のために参加。 知り合いなど拝聴したい発表があり、3方の発表を覗いた。朝一で、加倉井仁氏の発表〈バルザック『人間喜劇論』ー消えゆくものへのまなざし〉。 小説家バルザックとしてではない、歴史家バルザック…

11月

【文芸】犬身作者: 松浦理英子出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/10/05メディア: 単行本 クリック: 33回この商品を含むブログ (108件) を見る紹介遅ればせながら、結構話題になっている小説*1。 袋小路の男 (講談社文庫)作者: 絲山秋子出版社/メーカ…

ゼロの胎動

集英社からWEBで最新作が読めるRENZABURO(レンザブロー*1)というサイトがあると知った。古川日出男の作品が少し読める。古川は今アツい作家だ(と勝手に思っている)。 批評と理論のサイト、〈SITE ZERO ZERO SITE〉もおそらく若手の研究者・専門家たちが…

10月中心に

【日本文学・エッセイ】野性時代 vol.48 (KADOKAWA文芸MOOK 49)出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/10メディア: ムック クリック: 2回この商品を含むブログ (7件) を見る 予定日はジミー・ペイジ作者: 角田光代出版社/メーカー: 白水社発売日: 2007/09/0…

文学という毒

9月下旬に、青山学院大学文学部日本文学科主催(国際シンポジウム、らしいが、そんな感じもしない小さなイヴェント)に行ってみた。はじめに市川團十郎(青学の客員教授らしい)と学長武藤元昭氏(日本文学者)の歌舞伎をめぐるおしゃべりがあり(つまらん話…

優れた二、三のビュトール論から享けたこと

ぼくはミシェル・ビュトール(Michel Butor,1926- )という作家に出会わなければ、フランス語学習はおろか、仏文専攻にまで進もうとは思わなかった。 大学院から仏文に入ったわけだが、研究なんて大袈裟なことはこれまで一度もしなかったと思う。フランス文…

2007.9の新刊(8月含む)

【文学】 墓碑銘 (講談社文芸文庫)作者: 小島信夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/09/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (21件) を見るアイロンと朝の詩人―回送電車〈3〉作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 中央公論新社発売日…

鉄道音、「楽」から「学」へ

昨日の東京新聞夕刊の音楽芸能欄に、「杉ちゃん&鉄平」なるコンビによる、《クラシック・鉄道オタク融合》という見出しで、記事がでかでかと載っていた。「音楽つれづれ」の五輪真弓はさておき、それも、スティーリー・ダン来日公演を退けてまで! 〈冗談音…

中空都市のススメ

知り合いが教えてくれたNHKみんなのうたの「道」という歌とアニメーション。 こんな街があったらどれだけ愉しいことだろう。まさに遊園地都市である。電線電柱がじゃがじゃしているのはすっきりしていないから、好きでないという向きもあるだろう。だが異質…

新奇な文芸誌のゆくえ

「FICTION ZERO/ NARRATIVE ZERO」(講談社文芸X出版部)という文芸誌的な単行本*1が出た。 FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO作者: 古川日出男/東浩紀/小島アジコ,講談社文芸X出版部出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/02メディア: 単行本購入: 1人 クリッ…

8月新刊中心に

〈日本文学〉逃亡くそたわけ (講談社文庫)作者: 絲山秋子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/11メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (102件) を見る*1 キルプの軍団 (講談社文庫)作者: 大江健三郎出版社/メーカー: 講談社発売…

理想の街?!、沼袋

先に、理想の街をこう思い描いたことがあった。 武蔵小山のような商店街か下高井戸の食料品店があって、南阿佐ヶ谷の書原本店のような本屋さんがあり、大森は山王や馬込のような起伏があり、ドトールコーヒーかサンマルク・カフェ、そしてぽえむのような珈琲…

ふた安心

仕事をしていたら、郵便物が届く。 NTT出版の編集の方から高山本を頂戴した。おお、助かった、危うく買うところだったよ。ほっと安心。超人高山宏のつくりかた (NTT出版ライブラリーレゾナント)作者: 高山宏出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/08/01メデ…

〈cm/sm〉のディスタンス

【ネタバレ注意】 何年ぶりか、御茶ノ水から秋葉原までぶらりと歩いた。聖橋の袂にベビーカステラの出店があり、注文しようとすると、ちょっと待ってねとお爺さん。焼き上がりの肝心な時なのだろう。頃合いを見計らい、注文をきりだそうとすると、6個でしょ…

悪くはならない?!

はっきりいってどうでもいいことだが、HONDAの車ZESTのCMをみると、首をかしげてしまう。 近未来風ハイテク工場で、macのデスクトップのような画面に向き合い、なにやらパネルタッチする倖田來未。次々量産できるシステムにご満悦の笑みを思わず浮かべる(社…

7月刊本など

ふたりの博士(ヒロシ/ハカセ)の書物が刊行。*1 アラマタ大事典作者: 荒俣宏出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/13メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (30件) を見る 好奇心があれば、一生、退屈しないぞ!! アラマタ博…

ただいま純愛中

*1 R25指定になりましたので*2、再度宣伝をば。 『日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentences』ですが、 4月中旬から好評につき(?)、紀伊國屋書店新宿南店にて、“純愛フェア”続投中です。ショーウィンドウにてポスター看板があります(是…

『純愛百選』R25指定

日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentence作者: 芳川泰久,江南亜美子,荻野哲矢,駿河昌樹,高頭麻子,十重田裕一,三ッ堀広一郎,望月旬,山崎敦,和久田頼男出版社/メーカー: 早美出版社発売日: 2018/01/22メディア: 単行本(ソフトカバー) クリ…

6月の新刊・近刊本

われわれはみな外国人である―翻訳文学という日本文学 (五柳叢書)作者: 野崎歓出版社/メーカー: 五柳書院発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (10件) を見る 翻訳は日々あたらしい。今読者に伝わる言葉は、どう創ら…

〈圧縮〉できる文学?!

5月19日明治大学にて行われた、日本フランス語フランス文学会でのワークショップのひとつ、ジュール・ヴェルヌ再発見と題したヴェルヌの発表を聞いた。発表者は私市(きさいち)保彦氏、新島進氏、石橋正孝氏、芳川泰久氏の4方(発表順)。私市氏は文学史か…

5月の店頭本で読んでいる本買った本欲しい本

店頭に並んでいたものをリストアップ。■菊池伶司 版と言葉 The Etchings of Reiji Kikuchi,1946-1968 堀江敏幸・柄澤齊・加藤清美=著 A5判並製カバー装、176頁、本体価格2,200円+税、ISBN978458270269-9 菊池伶司 版と言葉作者: 堀江敏幸,柄澤齊,加藤清美出…

20世紀世界文学全集

河出書房新社創業120周年記念として、池澤夏樹=個人編集の〈世界文学全集〉全24巻が刊行されるそうだ。 2007年11月〜2009年12月に刊行予定だと…う〜ん初訳、新訳も結構あるなぁ、全巻買うかどうか。それが問題だ。2~3000円台でさほど高くはないしなあ。第一…

文学の新刊本を出しました。

『日本文学にみる純愛百選ーzero degree of 110 love sentences』という本を出しました。芳川泰久さん監著、執筆者多数でなかなか多様な「純愛」へのアプローチが愉しめる一冊だと思います。値段もお手頃では?*1日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 …

あるくかい日記予告

あるくかいという会合を学生時代から始めてかれこれ8年。漫然と街々をあるく。活動といえばたったそれだけ。町をぶらぶらすることが何よりも好きな自分は、講義をサボっては独りでせっせと歩いていた。あるくにも理由がある。名所旧跡寺社めぐり、食いある…

都市を使用する権利

東浩紀・北田暁大著『東京から考えるー格差・郊外・ナショナリズム』(NHKブックス、本体価格1160円+税、ISBN978-4-14-091074-0)はポスト・バブル世代(1971年生れ)の二人の論者(この二人がともに東京「郊外」の出身者であり、<郊外から考える>東京論…