2011年 印象に残った約100冊の書物たち

ある哲学者のブログに触発されたので、私も自分なりに、2011年刊行された新刊を中心に、また、刊行年を問わず2011年に目を通したり読んだりしたものも含めつつ、自分の印象に残った書物を挙げてみたいと思います。およそ100冊ですが、巻数を重ねるものはひと…

シナリオ教室から〈BDコレクション〉まで、そしてこれから

Twitterを公私にわたって使っているうちに、ブログ更新の折を見つけられず、久々に書く。 というよりも、国書刊行会から昨年の11月から今年の1月まで、毎月刊行するための編集作業など、 2010年フリー編集でやってきた仕事を回顧を、いまごろできる次第であ…

11月より〈BDコレクション〉刊行開始です。

11月より(店頭発売日未定)、国書刊行会から、フランス・コミックであるBD[ベーデー/ベデ、「バンドデシネ (Bande Dessinée)」の略、描かれた帯が原義]の本邦初の叢書、〈BDコレクション〉が刊行されます(全三巻)。右写真、本コレクションのロゴマー…

lecture de La Modification de Michel Butor

Michel Butorの小説、La Modification*1の朗読模様。音響・映像を駆使するとどうしても、現代音楽のように空々しく*2、大袈裟な調子になってしまうのだが、ビュトールの冗長的な文章のリズム、読んでいる感じを出そうとすると、たしかにこんなイメージになっ…

ジュール・ヴェルヌが描いた横浜

ジュール・ヴェルヌが描いた横浜―「八十日間世界一周」の世界 (慶應義塾大学教養研究センター選書)作者: 新島進出版社/メーカー: 慶應義塾大学教養研究センター発売日: 2010/04/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 日本ジュ…

本のメルマガ推薦文、書きました。

追記。先日のブログでもふれた通り、新刊の岸川真著『だれでも書けるシナリオ教室』(芸術新聞社)の宣伝文(「シナリオは「だれでも書ける」は本当である」──『だれでも書けるシナリオ教室』を編集し終えて──)を、[本]のメルマガ*1に書きました。http://…

『だれでも書けるシナリオ教室』イベント告知など

来る5月7日、新刊『だれでも書けるシナリオ教室』(芸術新聞社)トークショーを行います。先にも『フリーの教科書』でやりました、三省堂書店神保町本店さまです。amazonでも一時、映画本部門1位になるなど*1、何の宣伝もなしにぐぐっと出足好調、話題沸騰の…

だれでも書けるシナリオ教室

4月7日に、岸川真著『だれでも書けるシナリオ教室』(1850円+税*1、ISBN:9784875861898)が芸術新聞社から出ます。amazonでもどうぞ。だれでも書けるシナリオ教室作者: 岸川真出版社/メーカー: 芸術新聞社発売日: 2010/04/10メディア: 単行本(ソフトカバー…

『人間になるための芸術と技術―ヒューマニティーズからのアプローチ』〜人文学のありかたについて本気で考える本

新聞だか雑誌だかでの小さな前評判と、題名から察するに間違いなく面白そうだと思い、購入。 これがメチャクチャに面白い! 日本の人文学の来し方行く末を真剣に考察している。時間がないのでひとまず観想は措くが、大学の人文学のありかたはもちろん、人文…

2010年、本の買い初め

謹賀新年。 今年はどんな本が作れるか。環境が変わることで、作りたい本作る本も変わることでしょう。 先に、荒川洋治さんがラジオで話していた本の買い初め。一冊だけすっきり選べると気持良いのだけど、 例のごとく、気になる数冊を一気に買ってしまいまし…

頑張れ!双書Zero

筑摩書房から〈双書Zero〉シリーズが創刊されます。 敏腕編集者Iさんの立案企画。 装幀はミルキィ・イソベ氏。理論社の素晴らしいYA新書〈よりみちパン!セ〉シリーズ、河出の〈14歳の世渡り術〉シリーズを凌ぐか?! 1周年したときに、相貌は見えてくるでし…

「シネリテラシー」創刊

著者さんとの付き合いで、「シネリテラシー」という機関誌第一号を、今月半ばに出します。少部数ゆえ、ご購入希望の方は版元ドットコムにて。なお、第15回 KAWASAKIしんゆり映画祭2009の会場でも販売いたします。 序――映画は世界市民へのパスポート…………004ア…

またまた草森本の登場。

草森本、ラッシュは続きます。河出からまた『本の読み方 墓場の書斎に閉じこもる』出ます。草森さんこそ、正真正銘の「本人 hon-nin」だ。彼ほど本を読んでいる人はなかなかお目にかかれない。 いや、もうお目にはかかれない。本人にお会いできない、それが…

草森本続々刊行!

草森本がまたまた出ます。フィルムアート社から、草森紳一著、大倉舜二さん写真による『フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎』が出ます! フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎作者: 草森紳一,大倉舜二出版社/メーカー…

新出版社・羽鳥書店

本屋といっても、書店ではなく版元。羽鳥書店という出版社ができておりました。*1 羽鳥さんはもともと東京大学出版会の編集者のお方*2。どんな本を出すかというと、ぼくの興味からいうと、東大出版会のPR誌「UP」に連載していた『かたち三昧』(高山宏)。こ…

どでかい買い物

なかなか手に入らなかったヴァレリー・ラルボー全集(全巻揃10巻、ガリマール)、草森本のほぼ全てを、日本の古本屋やamazonを駆使して、入手*1。ラルボー全集は神保町田村ではなく、高円寺戸都丸で購う。 ラルボー全集の状態もよく、まだ封切りされておらず…

ここ最近の注目本

何と言ってもまず慶賀すべきは、草森紳一の大連載、「中国文化大革命の大宣伝」が上下巻として刊行されたことです。終刊となった「広告批評」で、1989年から長きにわたり連載されていたものをまとめたものです。 中国文化大革命の大宣伝 上作者: 草森紳一出…

「フリー」を生き延びる―大波小波にて「フリーの教科書」紹介

2009年5月23日「東京新聞」夕刊のコラム「大波小波」にて、岸川真『フリーの教科書 生き延びるための読書』ならびに『フリーという生き方』(岩波ジュニア新書)が取り上げられています。 …「貧しさを、泳ぎながらの読書日記」といった体なのだが、挙げてい…

本とのホントのつきあいかた

学業から離れてものを学びたくなる(習うのではなく)心性は、学生時代への郷愁ではなく、怠け者の気まぐれというものだろう。本を読めるときに読まず、読めないときにばかり読もうとするといった具合に。ところで、「先生はえらい」の内田樹ではないが、先生…

ジュンク堂新宿店トークセッションもなかなか盛況であった。

おかげさまで、岸川真さん、青山南さん、滝本誠さんのトークセッションは、お客様も30名を越えるご来場で、2時間のゆったりトークも無事に終わりました。ご来場いただいたお客様、そしてなによりジュンク堂書店新宿店のスタッフ一同に、厚く御礼申し上げます…

不況を生き抜くための文学

中日新聞2009年2月27日(金)夕刊に、 〈不況を生き抜くための文学 フリーで考えた『蟹工船』に引き続く戦う武器としての読書〉と題し、岸川さん本人の原稿が掲載されています。

三省堂トークセッションは盛況であった。

おかげさまで、岸川真さん、佐藤忠男さん、わたなべりんたろうさん司会のトークセッションは、お客様も40名を優に越える*1勢いでした。ご来場のお客様、三省堂書店4Fのスタッフの皆様、ありがとうございました。 無事に済んでほっと一息というのもつかの間…

『フリーの教科書 生き延びるための読書』情報

岸川真 著『フリーの教科書 生き延びるための読書』*1の刊行記念として、2月末から3月上旬にかけて、下記都内2書店にて、トークイベントを行います。 三省堂ミッドナイトセッション 2月25日(水) 20時30分より(開場20時、閉店後の始まりです)…

鉄道画

なかなかパワフルな鉄道画を描く漫画家(?)*1がいる。後藤友香という女の人である。鉄道画集作者: 後藤友香出版社/メーカー: よるひるプロ発売日: 2008/11メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る*2これだけ鉄道の〈顔〉に執着す…

『フリーの教科書』、毎日新聞に掲載さる。

編集担当した岸川真著『フリーの教科書 生き延びるための読書』*1、毎日新聞2009年1月30日(金)夕刊「話題です」にてご掲載いただきました*2。 「フリーランス、非正規社員の人が読んで損はない」とご紹介いただきました。簡明にして要を得た書評、ありがた…

編集研究の主題

編集者としてどうしても書物にしたい作家がままいるが、その本が出せるかどうかは現段階では怪しい。いや、厳しいだろう。自分の道行き、今後次第かとも思う。よその版元に企画を売りこむのは惜しい。もし編集できないとなれば、これは自分で著すしかないの…

バートルビーが流行ってる?!

ハーマン・メルヴィルの中編小説『バートルビー』が、新潮から出たエンリーケ・ビラ=マタスの『バートルビーと仲間たち』という小説を皮切りに*1、今年話題になっているようだ*2。代書人(*3)バートルビーという青年は、職場で「〜しないほうがよいのですが…

語り得るもの/語り得ぬもの

とうに過ぎたが、昨年12月、同時期に出た文芸誌が同じ漫画家へのインタビューを掲載していた。掲載したのは「WB」(WASEDA bungaku FreePaper)Vol.011_2007_winterと創刊したばかりの「エクス・ポ」vol.01。どちらも取り上げていたのが榎本俊二という漫画家が…

新奇な文芸誌のゆくえ

「FICTION ZERO/ NARRATIVE ZERO」(講談社文芸X出版部)という文芸誌的な単行本*1が出た。 FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO作者: 古川日出男/東浩紀/小島アジコ,講談社文芸X出版部出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/02メディア: 単行本購入: 1人 クリッ…

『純愛百選』R25指定

日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentence作者: 芳川泰久,江南亜美子,荻野哲矢,駿河昌樹,高頭麻子,十重田裕一,三ッ堀広一郎,望月旬,山崎敦,和久田頼男出版社/メーカー: 早美出版社発売日: 2018/01/22メディア: 単行本(ソフトカバー) クリ…