2009-01-01から1年間の記事一覧

山地としてる写真集『豚と共に』〜幸福なものたちの写真

山地としてるという写真家が、自前で発行した『豚と共に』という写真集がある。 91枚の写真のうち71枚の写真がモノクロ、終わり20枚がカラー写真で構成されている。 これだけ多幸感あふれる写真集を見たのは、はじめてのことではないかと私は思った。 対象物…

「壁の本」〜街のテクスチャアを集めた壁写真

壁の本作者: 杉浦貴美子出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2009/09/02メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 12回この商品を含むブログ (14件) を見る 壁の肌理に注ぐもの 街中に絵があふれている。 帯文にそう謳われるとおり、壁写真の画集というべき本…

頑張れ!双書Zero

筑摩書房から〈双書Zero〉シリーズが創刊されます。 敏腕編集者Iさんの立案企画。 装幀はミルキィ・イソベ氏。理論社の素晴らしいYA新書〈よりみちパン!セ〉シリーズ、河出の〈14歳の世渡り術〉シリーズを凌ぐか?! 1周年したときに、相貌は見えてくるでし…

「シネリテラシー」創刊

著者さんとの付き合いで、「シネリテラシー」という機関誌第一号を、今月半ばに出します。少部数ゆえ、ご購入希望の方は版元ドットコムにて。なお、第15回 KAWASAKIしんゆり映画祭2009の会場でも販売いたします。 序――映画は世界市民へのパスポート…………004ア…

またまた草森本の登場。

草森本、ラッシュは続きます。河出からまた『本の読み方 墓場の書斎に閉じこもる』出ます。草森さんこそ、正真正銘の「本人 hon-nin」だ。彼ほど本を読んでいる人はなかなかお目にかかれない。 いや、もうお目にはかかれない。本人にお会いできない、それが…

7月購入検討本

新刊・既刊・古書含みます。*1 追加書目7/23 ●長谷川一『アトラクションの日常』(河出書房新社) ●青山南『旅するアメリカ文学 名作126』(アクセス・パブリッシング) ●徳永康元『ブダペストの古本屋』(ちくま文庫) ●堀江敏幸『彼女のいる背表紙』(マガ…

草森本続々刊行!

草森本がまたまた出ます。フィルムアート社から、草森紳一著、大倉舜二さん写真による『フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎』が出ます! フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎作者: 草森紳一,大倉舜二出版社/メーカー…

新出版社・羽鳥書店

本屋といっても、書店ではなく版元。羽鳥書店という出版社ができておりました。*1 羽鳥さんはもともと東京大学出版会の編集者のお方*2。どんな本を出すかというと、ぼくの興味からいうと、東大出版会のPR誌「UP」に連載していた『かたち三昧』(高山宏)。こ…

どでかい買い物

なかなか手に入らなかったヴァレリー・ラルボー全集(全巻揃10巻、ガリマール)、草森本のほぼ全てを、日本の古本屋やamazonを駆使して、入手*1。ラルボー全集は神保町田村ではなく、高円寺戸都丸で購う。 ラルボー全集の状態もよく、まだ封切りされておらず…

ここ最近の注目本

何と言ってもまず慶賀すべきは、草森紳一の大連載、「中国文化大革命の大宣伝」が上下巻として刊行されたことです。終刊となった「広告批評」で、1989年から長きにわたり連載されていたものをまとめたものです。 中国文化大革命の大宣伝 上作者: 草森紳一出…

「フリー」を生き延びる―大波小波にて「フリーの教科書」紹介

2009年5月23日「東京新聞」夕刊のコラム「大波小波」にて、岸川真『フリーの教科書 生き延びるための読書』ならびに『フリーという生き方』(岩波ジュニア新書)が取り上げられています。 …「貧しさを、泳ぎながらの読書日記」といった体なのだが、挙げてい…

イメージの抽象度が高いと郊外になる

ただモデルの女の子に惹かれて、アイフォトしたわけではない。これは大学予備校の広告写真だが、2月後半から4月にかけて、大勢の人、とくに若者にとって人生の節目にあたる時期。平たく春が来るとでも言おうか。入学に卒業、就職、転勤等々…。移ろいのとき…

本とのホントのつきあいかた

学業から離れてものを学びたくなる(習うのではなく)心性は、学生時代への郷愁ではなく、怠け者の気まぐれというものだろう。本を読めるときに読まず、読めないときにばかり読もうとするといった具合に。ところで、「先生はえらい」の内田樹ではないが、先生…

ジュンク堂新宿店トークセッションもなかなか盛況であった。

おかげさまで、岸川真さん、青山南さん、滝本誠さんのトークセッションは、お客様も30名を越えるご来場で、2時間のゆったりトークも無事に終わりました。ご来場いただいたお客様、そしてなによりジュンク堂書店新宿店のスタッフ一同に、厚く御礼申し上げます…

不況を生き抜くための文学

中日新聞2009年2月27日(金)夕刊に、 〈不況を生き抜くための文学 フリーで考えた『蟹工船』に引き続く戦う武器としての読書〉と題し、岸川さん本人の原稿が掲載されています。

三省堂トークセッションは盛況であった。

おかげさまで、岸川真さん、佐藤忠男さん、わたなべりんたろうさん司会のトークセッションは、お客様も40名を優に越える*1勢いでした。ご来場のお客様、三省堂書店4Fのスタッフの皆様、ありがとうございました。 無事に済んでほっと一息というのもつかの間…

『フリーの教科書 生き延びるための読書』情報

岸川真 著『フリーの教科書 生き延びるための読書』*1の刊行記念として、2月末から3月上旬にかけて、下記都内2書店にて、トークイベントを行います。 三省堂ミッドナイトセッション 2月25日(水) 20時30分より(開場20時、閉店後の始まりです)…

鉄道画

なかなかパワフルな鉄道画を描く漫画家(?)*1がいる。後藤友香という女の人である。鉄道画集作者: 後藤友香出版社/メーカー: よるひるプロ発売日: 2008/11メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る*2これだけ鉄道の〈顔〉に執着す…

気になったもの

黒田育世×古川日出男『ブ、ブルー』予告 くだらん。実に馬鹿馬鹿しいが、不覚にも大笑。

『フリーの教科書』、毎日新聞に掲載さる。

編集担当した岸川真著『フリーの教科書 生き延びるための読書』*1、毎日新聞2009年1月30日(金)夕刊「話題です」にてご掲載いただきました*2。 「フリーランス、非正規社員の人が読んで損はない」とご紹介いただきました。簡明にして要を得た書評、ありがた…

編集研究の主題

編集者としてどうしても書物にしたい作家がままいるが、その本が出せるかどうかは現段階では怪しい。いや、厳しいだろう。自分の道行き、今後次第かとも思う。よその版元に企画を売りこむのは惜しい。もし編集できないとなれば、これは自分で著すしかないの…

2009.1

【ボクは迷いながら戦争に向かう生きにくい世界でボクを襲う危ない性と死の誘惑、愛と命を考える・相対主義・フッサール・ベルグソン】 フリーの教科書―生き延びるための読書作者: 岸川真出版社/メーカー: 早美出版社発売日: 2009/01メディア: 単行本購入: 3…