2008.7(未刊既刊含む)


【日本文学・エッセー・漫画】



ラジ&ピース

ラジ&ピース



婚礼、葬礼、その他

婚礼、葬礼、その他

原宿ガール (ダ・ヴィンチブックス)

原宿ガール (ダ・ヴィンチブックス)

装幀:祖父江慎


偏愛文学館 (講談社文庫)

偏愛文学館 (講談社文庫)


徘徊老人の夏 (ちくま文庫)

徘徊老人の夏 (ちくま文庫)




ご存知PR誌「アスペクト」連載、春日武彦吉野朔実の奇天烈コンビの不気味なエッセイ集。


未来歳時記・バイオの黙示録 (ヤングジャンプコミックス)

未来歳時記・バイオの黙示録 (ヤングジャンプコミックス)







【海外文芸・絵本】



四人の兵士

四人の兵士


ちびの聖者 (シムノン本格小説選)

ちびの聖者 (シムノン本格小説選)


アブサロム、アブサロム! (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-9)

アブサロム、アブサロム! (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-9)


ユリイカ (岩波文庫)

ユリイカ (岩波文庫)


ガラス蜘蛛

ガラス蜘蛛


カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫)

カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫)


スロー・ラーナー (ちくま文庫)

スロー・ラーナー (ちくま文庫)

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈2〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈2〉 (光文社古典新訳文庫)

まっくら、奇妙にしずか

まっくら、奇妙にしずか

いつの話なのか、どこの話なのか。いつかどこかで起こりそうな、雲をつかむような話。不思議な男は、きょうもどこかで漁りをつづけている――ブラティスラヴァ世界絵本原画展2007年グランプリ受賞作の素晴らしい絵本。





【書評・時評・文学史・文学論】


富士さんとわたし  手紙を読む
山田稔 編集工房ノア A5判上製527頁 3675円

富士正晴の独特な存在と文学の魅力を長年の往復書簡の中に読みとく。
VIKING」「日本小説を読む会」
わたしの歳月をたどる長編散文。

日本が戦争にむかっていた昭和初期。それでも東京山ノ手には、ふしぎに自由な空気がのこっていた。アリスのうさぎに、アラジンの魔法のランプ、海賊シルバーに、モンテクリスト伯! チョコと呼ばれた女の子は、本のなかで、いろんな友だちに出会った。「自由」は、いつも本のなかにあった。歌人尾崎左永子が、幼い頃に心ふるわせた本の記憶をかたる。
いまも読みつがれる41篇の名作をともに紹介。*1

ポスト・ブックレビューの時代―倉本四郎書評集〈上〉1976‐1985

ポスト・ブックレビューの時代―倉本四郎書評集〈上〉1976‐1985

1976年から21年間にわたり連載された、「週刊ポスト」の人気ロングラン書評を集成

渡邉裕之編 松山巌解説 装幀:工藤強勝

  

〈盗作〉の文学史

〈盗作〉の文学史

ビュトール『心変わり』をパクったとした倉橋由美子の『暗い夏』論争など、数々の盗作疑惑を論じた大作。

文芸時評 1993‐2007

文芸時評 1993‐2007


もっと、狐の書評 (ちくま文庫)

もっと、狐の書評 (ちくま文庫)

 

増補 書を読んで羊を失う (平凡社ライブラリー)

増補 書を読んで羊を失う (平凡社ライブラリー)

光の曼荼羅 日本近代文学
安藤礼二著 講談社 2940円

まだ出ねえか。




【日本論・日本語論・文字】



ゼロ年代の想像力

ゼロ年代の想像力

装幀:ハヤカワ・デザイン

郊外化、引きこもり、格差社会、グローバリゼーションーー
私たちの生きる社会と、
そこから生まれる物語の想像力は何を描き、語ってきたのか。
そして、この乾いた世界で私たちはどう生きていくべきかーー。
停滞する批評を更新する、決定的な一歩。

宮台真司氏推薦
若い書き手による、単なる「好きなもの擁護」を超えた、時代を切り拓くサブ・カルチャー批評を、僕らは長いあいだ待っていた。それが本書である。政治思想の最先端とも響きあう高度な内容は、その期待に応え得るはずだ。*2

DEATH NOTE』、宮藤官九郎よしながふみ……格差・郊外・ナショナリズム、激震するゼロ年代に生まれた物語たちの想像力は何を描いてきたのか。時代を更新するサブ・カルチャー批評の決定版。

■本書目次
第 一 章 問題設定――九〇年代からゼロ年代へ/「失われた十年」の向こう側
第 二 章 データベースの生む排除型社会――「動物化」の時代とコミュニケーションの回復可能性
第 三 章 「引きこもり/心理主義」の九〇年代――喪失と絶望の想像力
第 四 章 「九五年の思想」をめぐって――否定神学的モラルのあとさき
第 五 章 戦わなければ、生き残れない――サヴァイヴ系の系譜
第 六 章 私たちは今、どこにいるのか――決断主義ゼロ年代の現実認知
第 七 章 宮藤官九郎はなぜ「地名」にこだわるのか――(郊外型)中間共同体の再構成
第 八 章 ふたつの『野ブタ。』のあいだで――木皿泉と動員ゲームの離脱可能性
第 九 章 解体者としてのよしながふみ――二十四年組から遠く離れて
第 十 章 肥大する母性のディストピア――空転するマチズモと高橋留美子の「重力」
第十一章 「成熟」をめぐって――新教養主義の可能性と限界
第十二章 仮面ライダーにとって「変身」とは何か――「正義」と「成熟」の問題系
第十三章 昭和ノスタルジアとレイプ・ファンタジー――物語への態度をめぐって
第十四章 「青春」はどこに存在するか――「ブルーハーツ」から「パーランマウム」へ
第十五章 脱「キャラクター」論――ケータイ小説と「物語」の逆襲
第十六章 時代を祝福/葬送するために――「決断主義ゼロ年代」を超えて



■本書で論じた作品
青山真治池袋ウエストゲートパーク犬夜叉ウォーターボーイズ/ALWAYS 三丁目の夕日仮面ライダー龍騎仮面ライダー電王木皿泉木更津キャッツアイ/オトナ帝国の逆襲/蹴りたい背中/犬身/恋空/コードギアス宮藤官九郎小林よしのり最終兵器彼女桜庭一樹佐藤友哉戯言シリーズ下妻物語女王の教室ジョゼと虎と魚たち新世紀エヴァンゲリオン永遠の仔/すいか/世界の中心で、愛をさけぶセクシーボイスアンドロボ涼宮ハルヒの憂鬱西洋骨董洋菓子店DEATH NOTE電脳コイル時をかける少女ドラゴン桜NANA野ブタ。をプロデュース鋼の錬金術師ハチミツとクローバーパッチギ!バトル・ロワイアルファウスト古川日出男フラガール冬のソナタマンハッタンラブストーリー松尾スズキ浜崎あゆみメゾン・ド・ヒミコよしながふみよつばと!/ライフ/らき☆すたラスト・フレンズリンダリンダリンダONE PIECE

著者宇野常寛氏は1978年生まれ。〈企画ユニット「第二次惑星開発委員会」主宰〉と著者紹介にある。批評誌〈PLANETS〉の編集長として知っている向きもあるだろう。新進の評論家である。目次内容を見ても分かるとおり、日本の90年代論・ゼロ年代論としてばかりでなく、物語を分析した立派な文芸批評になっている。同世代としても、扱われている素材や領域に関心あるものばかりである。今月の収穫本のひとつとなることは間違いなさそうだ。


こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)

こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)

日本社会の諸問題に対し、「人類学的叡智」でお答えましょう
少子化問題」は存在しません!
「根本的な変革」はしてはいけない!
格差社会論」に基づく社会改良政策は、ますます「金で苦労する人」を増やすだけ!
日本は「辺境」で「属国」、それで何か問題でも?
日本がこれから目指すべきは、「フェミニンな共産主義」です!
……
そんなバカな! と感じた方は、ぜひ本書をお読みください。
あまりの暴論ぶりに思わず説得されるはずです。

日常的な現象の裏に潜む本質的「構造」を問題にする、“寝ながら学んだ”構造主義者・ウチダ先生による、目からウロコの日本社会論。これが日本の生きる道?
1章■制度の起源に向かって──言語、親族、儀礼、贈与
2章■ニッポン精神分析──平和と安全の国ゆえの精神病理
3章■生き延びる力──コミュニケーションの感度
4章■日本辺境論──これが日本の生きる道?

日本回帰・再論―近代への問い、あるいはナショナルな表象をめぐる闘争

日本回帰・再論―近代への問い、あるいはナショナルな表象をめぐる闘争

西川長夫氏はルフェーヴルの翻訳者ということしか知らなかったが、むしろアルチュセールの紹介者として有名なのかも知れない。『国境の越え方―国民国家論序説』*3という本も書いている。こちらも読んでみたい。



サブタイトルが「体験を語りたがる人びとの欲望が日本語の文法システムをゆさぶる話」と、いかにも長い。知識の文法と体験の文法の違いを説明しているらしい。モノとコトとかね。常々不思議に感じる川上未映子女史の不思議な言葉遣い*4なんか、これで分析とかできんのかね。

国語辞典の名語釈 (ちくま学芸文庫)

国語辞典の名語釈 (ちくま学芸文庫)





古代文字練習帳

古代文字練習帳

常用漢字の中で甲骨・金文文字のいずれかがある文字を収録。見出し文字数は、877字。収録各文字には、それぞれ音訓、画数、筆順、説明の項目を立て、「頭で考えて」ではなく、実際に「手で書いて」理解できるように文字を書く欄も設けた。文字をなぞる、歴史をたどる、白川文字学への招待。

誰が練習するのか不明ではあるが。白川学ファンは買うのかな。

*1:幻戯書房NEWSより

*2:帯文より。

*3:

〔増補〕国境の越え方 (平凡社ライブラリー)

〔増補〕国境の越え方 (平凡社ライブラリー)

*4:とくにブログ文体