『純愛百選』(仮題)制作進行中

日本の近現代の文学作品から、「純愛」を鍵語に集めた作品のアンソロジー的な*1本『純愛百選』*2を今年中の刊行(早くて11月中)に向け、歩を進めている。編者はご存知、芳川泰久先生。著者は芳川先生をはじめとした数名が執筆担当するため、内容形式ともにバラエティに富んだものになるだろう。一見すると多様であるゆえに掴みどころがないが、そのような印象を与えることも想定の範囲内である。というのも、純愛とは「プラトニック・ラブ」といった愛の定形におさまりきるものではないだろうからだ。純愛をどのように捉えるかは人によって千差万別であり、その振り幅は大きい。何をもって「純愛」と呼び得るか。この『純愛百選』は現代の「純愛」ブームにかぎらず、「純愛」考としての意義を持ち得るものであると期待している。著者一人ひとりのゲラを読みながら、そんなことを思う。

*1:精確にアンソロジーというわけではないのです。

*2:小社トップページに掲載。