古き良き仏語参考書

urotanken2006-11-19





今月、白水社から伊吹武彦編『フランス語解釈法』(本体価格3400円+税、ISBN4-560-00337-8)が復刊された。これは1957年に刊行された《フランス語学文庫 Le francais vivant》というコレクションの一冊「解釈法」(12巻目)をリニューアルしたものである。私自身オンタイムでこのコレクションに触れたのではなく、大学の図書館でめぼしい数冊を借りてきて、全部コピーしたものを製本して学習したので、今回の復刊はとても感慨深いものがある。この復刊に続いて川本茂雄編『フランス語統辞法』が刊行されるらしい(この本はやはり《フランス語学文庫 4》にも採録されている「文の構造」(1956年)があるが、おそらくは1982年に復刊された『フランス語統辞法』のリニューアルになるだろう)。この《フランス語学文庫》シリーズの特徴は、当時の高名なるフランス語学・文学研究者が、文法学習の極めて細かいところまで注意を払い、文学作品などを中心とした例文引用がびっしりと掲載されていることである。これはフランス文学を研究したい、あるいは原文に接したいと考える諸氏にうってつけな、学習意欲のわく力作ではなかろうか。細かなことを挙げると、以前の《フランス語学文庫》は新書サイズでハンディだったので大変よかったのだが…。

フランス語解釈法

フランス語解釈法