鉄の道に鉄の女。私は「私」鉄である。

urotanken2006-11-24




酒井順子の単行本『女子と鉄道』(光文社、本体価格1300円+税、ASIN: 4334975097)が出た。素敵な装丁でつい、買ってしまう。鉄の道は女にもあるというのは寡聞にして聞かないが、ゆる〜い鉄道好きというのが鉄の女の生きる道(?)なのだそうだ。その意味では私も「鉄の女」として性を変更しなくてはならなくなってしまう(Nゲージとか興味ないし、多少「撮り鉄」、いい加減な「乗り鉄」でしかない)。そこで、自分を勝手な枠にはめて男たらんとすれば、「私」鉄、とでも言っておきたい。JRよりも「私鉄」路線が好きだという理由のひとつに、「私鉄」各社が独自に開発してきた街並と併せてはじめて「私鉄」としての意味があるという点だ。各駅各街を連ねた一条の線上を、理念として体現する「私鉄」路線には美学がある。「私」は「私鉄」沿線のとある街に住まう住民でありながら、「私鉄」沿線を理念的に包括するイメージを担う「私」なのだ。だから「私」は近郊住民でありながら郊外住民でもある。私のいる場所は「私鉄」であるということになる。これが「私」的な鉄道のイメージである。

女子と鉄道

女子と鉄道