6月の新刊・近刊本
われわれはみな外国人である―翻訳文学という日本文学 (五柳叢書)
- 作者: 野崎歓
- 出版社/メーカー: 五柳書院
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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翻訳は日々あたらしい。今読者に伝わる言葉は、どう創られるのか。プルースト、ジッドから現代の小説家まで、その作品の魅力を縦横に綴ったオマージュ集成。
(五柳書院、四六判・494ページ、本体価格3,500円+税、ISBN9784901646116)
- 作者: レーモンルーセル,Raymond Roussel,岡谷公二
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/06/01
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ブルトンが 「現代における最も偉大な催眠術師」 と呼んだルーセルの代表作。チターを弾く大ミミズ、仔牛の肺臓製レールの上を滑る奴隷の彫像、人取り遊びをする猫……熱帯アフリカを舞台に繰り広げられる奇想の一大パノラマ。
(平凡社ライブラリー、HL判・408ページ、本体価格1,500円+税、ISBN9784582766134)
奇想科学の冒険―近代日本を騒がせた夢想家たち (平凡社新書)
- 作者: 長山靖生
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 新書
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明治から昭和初期、珍奇な学説を唱えたり、変な発明を考える “過剰な人” が多くいた。彼らの描いた豊かな未来はいかなるものだったか。奇想科学から見える “もう一つの近代”。
(平凡社新書、新書判・232ページ、本体価格760円+税、ISBN9784582853797)
- 作者: カンディンスキー,フランツ・マルク,岡田素之,相澤正己
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/06
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芸術の新約聖書、美術理論文献の白眉
図版155枚(カラー6葉)、折込み楽譜2葉4頁
カンディンスキーとシェーンベルクの奇跡的な出会いが生んだ美術理論文献の白眉! 芸術の新約聖書とも呼ばれ20世紀芸術に決定的な影響を与えた。1912年の初版豪華本を完全に復元する。
(白水社、菊判上製・252ページ、本体価格4600円+税、ISBN9784560027134)
- 作者: 田辺貞之助
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/06
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調べてもよし、通読してもよし。これぞ大全! 函入
かつて「現代フランス文法」の名で愛された究極の文法書を、「大全」と改題して復刊。圧倒的な文例・用例の多さと「通俗」を目指したという著者の解説は、まさにその名に相応しい。
(白水社、菊判上製・758頁、本体価格9500円+税、ISBN978-4-560-00341-1)
おれにはアメリカの歌声が聴こえる―草の葉(抄) (光文社古典新訳文庫)
- 作者: ウォルトホイットマン,Walt Whitman,飯野友幸
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/06/01
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独立から数十年がたち、アメリカという国への自意識が高まった時期にホイットマンは生を亨け、そして西洋の大国へとのしあがる過程で急激な変化をとげた時代のアメリカとともに生涯を送ったのであり、その両方が詩形にも反映されている。(あとがきより)
(光文社古典新訳文庫、189ページ、本体価格460円+税、ISBN 9784334751319)
- 作者: ロレンス・ダレル,高松雄一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/06/20
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主役は外交官マウントオリーヴに移る。美しい人妻レイラとの情事、ジュスティーヌやネッシムへの恐るべき疑惑、パースウォーデンの自殺の新たな原因など、恋と友情と陰謀の渦の中で、物語はスリルに満ちた新たな展開をみせる。
(河出書房新社、四六判・431ページ、本体価格2,600円+税、ISBN9784309623030)
- 作者: ジョイス,James Joyce,大澤正佳
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/06/15
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若さゆえの道化ぶりを随所で演じる主人公.ジョイスは一人の若者の成長過程を,幼年期から青年期にいたる感情と意識の移ろいに合わせ,文体を巧みに操って描いた.閉塞状況からの脱却と芸術家としての出発──教養小説・芸術家小説とも読めるこの作品には,『ユリシーズ』等につながる喜劇的精神が脈々と息づいている.新訳
(岩波文庫、500ページ、本体価格900円+税、ISBN978-4-00-322552-3)
岩波版も集英社版もそうだが、ジョイスの作品はびっしりと詳註がほどこされる。けれどそんなのを区々フィードバックして読むのは正直しんどいし、読んでもわからんことが多いので疑問だ。読ませてくれる速度でいうならば、やっぱり『日本語は天才である』の柳瀬尚紀訳がピカイチである。「あとがきのあとがき」なんかを読むと、訳文にも翻訳誤読があるらしい(柳瀬氏は目下『ダブリナーズ』の翻訳中らしい)。河出版の『ユリシーズ』は全巻翻訳刊行なるのか。それが気がかりである。
- 作者: 田山花袋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/06/15
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自然主義の小説家田山花袋(1871−1930)はまた,ジャーナリストであり,すこぶる旅行好きな紀行文作家だった.本書は全国津々浦々の温泉を美辞麗句抜きで素朴に記す.手っ甲脚絆で日に十数里もゆく昔の旅行.風景・湯量・宿・食事・村人の風情など,百年近く前の情景は,今日温泉をめぐる者にもよき伴侶となるだろう.(解説=亀井俊介)
(岩波文庫・340ページ、本体価格800円+税、ISBN9784003102176)
知覚の地層を探索するデザイン・批評誌 d/SIGN No.14
特集:小さな画面(スモールスクリーン)のデザイン
- 作者: 戸田ツトム,鈴木一誌
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/06
- メディア: 大型本
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携帯電話、i-pod、ノートパソコン、デジカメ…私たちが毎日接する多種多様な小さな画面。それは現代のコミュニケーション変化の先端に位置する。小さな画面は、大きな画面の代替でもなければ単なる縮小でもない。サイズ・比率、文字、解像度など進化し続けるスモールスクリーン。〈端末〉であることを生きなければならないわたしたちの、外界との接触面である小さな画面に、〈デザイン〉〈レイアウト〉の視点から、統一的な照明を与える。
(大田出版、185ページ、本体価格1,700円+税、ISBN9784778310776)
- 作者: ニコラブーヴィエ,Nicolas Bouvier,高橋啓
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2007/06/02
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たとえば若いパリジャンに聞いてみよう。好きな映画監督は?「北野武」 好きなミュージシャンは?「セルジュ・ゲーンズブール」 好きな本は「ニコラ・ブーヴィエ『世界の使い方』」?ブーヴィエというのは、そんな本を書いた男である。
スイスのブルジョア家庭に生まれ育ったブーヴィエは、20歳を超えた頃から旅に出る。1953年、再びフィアットの小型車で出発した彼は、ベオグラードで画家ティエリー・ヴェルネと合流、二人連れ立ってユーゴスラビアからトルコ、イラン、パキスタンに長い旅をする。この車トポリーノを6000の部品に分解してはまた組み立てる技術を身につけた。(『世界の使い方』)?パキスタンでヴェルネと別れ、その先は一人、インド、セイロン(スリランカ)。ここで彼は病と幻覚に憑かれ長逗留をやむなくされた。(『かさご』)?1955年、ついに島を脱出してフランス郵船の皿洗いとしてシンガポール、サイゴン、香港、マニラに寄り、10月29日横浜に到着。それから一年は日本に滞在する。(『日本年代記』)
旅するうちに写真家になり、ルポライターになり、帰国してからは図像調査士(イコノグラフ)となったブーヴィエ。旅の途中で録音した民族音楽は「ワールド・ミュージック」などという言葉もなかった時代に聞きとめられ、近年になってCD化された。晩年の彼を知るにはドキュメンタリー映像もある。?作家としてのブーヴィエの評価は、レリス、ゴンブロヴィチ、プルーストと並んで〈クアルト〉叢書から作品集(2003年)が刊行されて定まった。『ブーヴィエの世界』(みすず書房)には上述の著作の抜粋をはじめ、彼のエッセンスがたっぷりつまっている。年譜と解説、それにブーヴィエに憑かれた翻訳家高橋啓の解題とあわせて、ベスト版選集と言えるだろう。ぜひそれぞれの目で、ブーヴィエの世界を再発見していただきたい。
(みすず書房、四六判・336ページ、本体価格3,800円+税、ISBN9784622072980)
- 作者: 山田俊幸,永山多貴子
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2007/06
- メディア: 大型本
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大正から昭和にかけて活躍した謎多き画家、小林かいちの世界をオールカラーで収録。
研究者による解説も充実した、愛好家必携の書!近年とみにその特異なデザインが注目されている謎の画家、小林かいち。その繊細にしてゴージャス・過激にしてエレガントなデザインを絵葉書、絵封筒など300点の図像で再現。京都アールデコといわれる不思議な世界をご堪能ください。
(山田俊幸ほか編、国書刊行会、本体価格2,800円+税、B5判上製カバー装・156ページ、ISBN9784336048509)
- 作者: キャロルエムシュウィラー,Carol Emshwiller,畔柳和代
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2007/05/01
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〈私がいつまでもともに幸せに暮らせる生き物はどこにいるのか?〉
老人、エイリアン、鳥人間、謎の生き物……
疎外された者たちが探し求める、さまざまな愛のかたち。
唯一無二の奇想作家エムシュウィラー、本邦初の作品集。
(国書刊行会、四六判上製カバー装・356ページ、本体価格2,300円+税、ISBN9784336048400)
- 作者: 矢野峰人,高遠弘美
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2007/06/01
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上田敏の学風を継ぎ、英文学・比較文学研究に巨歩をしるした学者にして、有明白秋露風の流れを汲む象徴詩人としても知られる矢野峰人??芸術と学問との二つの領域に大きな足跡を遺した高雅な 《学匠詩人》 の文学的全貌を明らかにする初の著作集全3巻。第1巻はエッセイ・詩・訳詩を集成 (高遠弘美編) 【内容】 [詩集] 黙祷/影/幻塵集/挽歌/[訳詩集] しるえっと/黒き猟人/[エッセイ] 上田敏先生の訳詩/文学教授としてのハーン/厨川白村/台湾に於ける北原白秋氏/日夏耿之介/菊池寛氏を憶ふ/鴎外訳 『マクベス』 と逍遥/アアサア・シモンズ/グレゴリイ夫人/『ルバイヤート』の翻訳/イエイツと日本/ロセッティ秘話/珍書贋造事件/行春哀歌ほか約100篇
(国書刊行会、A5判・函入673ページ、A5本体価格15,000円+税、ISBN9784336049285 )
- 作者: 岩根久,金崎春幸,北村卓,柏木隆雄,春木仁孝,永瀬春男,和田章男
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2007/06/01
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■本書の特色
◆コンパクト・サイズの小事典でありながら、項目として挙げた作家数274、作品数169事項数84、作家・作品・事項、どこからでもすぐ引ける。
◎「作家項目」は文学史的に名を残している作家をできるだけ多く採用し、略歴、代表作、特徴を最新の見方によって解説しました。
◎「作品項目」は文学史的に意義を持つ代表的なものに限り、執筆あるいは出版の経緯、あらすじ、構成、特色、歴史的意義などを解説しました。
◎「事項」については、思潮、主義、シャンル、技法、文学史上の事件などを取り上げました。
巻末に年表、年代別索引付き
(朝日出版社、B6判変型・386頁(2色刷)、本体価格2,000円+税、ISBN9784255003870)
- 作者: 四方田犬彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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なぜ先生は私に「すべてデタラメ」と告げ、なぜ殴りつけたのか? 1972年、著者は伝説の知性・由良君美と出会い、学問の真の悦びを教えられます。しかしその至福の師弟関係は、悲劇的な結末へ……。十数年の時を経て検証する、恩師への思い溢れる長篇評論。
(新潮社、四六判・256ページ、本体価格1,500円+税、ISBN9784103671060)
哲学の歴史〈第6巻〉知識・経験・啓蒙―18世紀 人間の科学に向かって
- 作者: 松永澄夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/06/01
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中央公論新社、松永澄夫=編、新書判上製カバー装・728ページ、本体3,200円+税、ISBN9784124035230
「言葉の力の蓄積」、「近代的自然科学」を背景に、「人間の科学」が産声を上げる。人間と社会への根底的批判の眼差しを読む。
- 作者: 柄谷行人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/08
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言語、国家、代表制、通貨を根本から問う
「新しいアソシエーショニズム」の地平を提示する。「日本精神分析」というエッセイは、日本の文化に関する考察である。私はいつも、日本人の経験を、自民族中心主義に陥ることなく、普遍的に意味をもつようなかたちで提示したいと思っていた。しかし、ある意味で、本書のエッセイはすべて、そのような姿勢で書かれている、といえる。ゆえに、本のタイトルを「日本精神分析」としたのである。??<「学術文庫版へのあとがき」より>
芥川、菊池、谷崎の短編小説を手がかりに、帝国、ネーション、代表制民主主義、通貨、天皇制、日本文化、などの諸問題を根本から問い直し、それらを超克する可能性を示す、平易にして透徹した論考。
(講談社学術文庫、292ページ、本体価格1,050円+税、ISBN9784061598225)
- 作者: 大江健三郎他
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/06/05
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読み進めれば、ヤメラレないおもしろさ!
いまどきドストエフスキー? そんな疑問を一挙に払拭する。大江健三郎、金原ひとみ、島田雅彦、角田光代ら角界の“ドストエフスキー好き”が、その魅力を余すところなく披露。新しき入門書。
試し読みはこちらへ
(集英社、本体価格2500円+税、A5判セミハード・360ページ、ISBN9784087748611)
- 作者: アレンカーズワイル,Allen Kurzweil,大島豊
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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- 作者: アレンカーズワイル,Allen Kurzweil,大島豊
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/06
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1983年、パリの骨董品オークションで手に入れた、がらくたの詰まった函。それは産業革命以前のフランスで、自動人形の開発に心血をそそいだ天才発明家の「形見函」だった。10の仕切りのなかには、それぞれ、広口壜、鸚鵡貝、編笠茸、木偶人形、金言、胸赤鶸、時計、鈴、釦、そして最後のひとつは空のまま。フランス革命前夜、のちに発明家となる少年クロード・パージュの指が、ジュネーヴの外科医によって“故意”に切り落とされる事件が起こる。ここに端を発する彼の波瀾万丈の生涯について、函におさめられた10の想い出の品は、黙したまま雄弁と語りはじめるのだ??。18世紀という好奇心にみちた時代を鮮やかに再現し、世界の批評家たちを唸らせた驚異のデビュー作!