『純愛百選』R25指定

urotanken2007-06-28















日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentence

日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentence

ニッポニアニッポン (新潮文庫)愛妻日記 (講談社文庫)夫婦茶碗 (新潮文庫)好き好き大好き超愛してる。 (講談社ノベルス)色川武大 (ちくま日本文学全集)蹴りたい背中 (河出文庫)楢山節考 (新潮文庫)月魚 (角川文庫)


R25〔アールニジュウゴ〕2007 6.28 No.148 (20076/29→7/05)
R25的ブックレビュー(今週のテーマ:人を好きになるってどういうこと?*1])にて、『日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentences』が掲載されました(斎藤哲也氏書評)。

……じつはこの本、「純愛」なる流行語を逆手にとって、安直な「純愛」概念を打ち砕く、とっても野心にあふれる文学アンソロジーなのだ。
 それは執筆者たちが選んだ作品のラインアップを見れば、一目瞭然だろう。阿部和重ニッポニアニッポン』、色川武大『離婚』、深沢七郎楢山節考』、町田康夫婦茶碗』、綿谷りさ『蹴りたい背中』など、およそ共通点のなさそうな作品たちの引用が、〈純愛〉という名のもとに肩をならべている……
ニッポニアニッポン (新潮文庫)色川武大 (ちくま日本文学全集)楢山節考 (新潮文庫)夫婦茶碗 (新潮文庫)蹴りたい背中 (河出文庫)

なかでも斎藤氏は、執筆者望月旬(もちづき・じゅん)氏のエッセイ(阿部和重重松清町田康舞城王太郎ら現代作家の作品多数担当)を、「〈読む気にさせる〉芸達者な文章」と評してくれている。

たとえば三浦しおん*2を評したエッセイの冒頭はこうだ。「“ぷんすか調”の、妄想力みなぎる文章にかけちゃあナンバーワンである三浦しおんは、直木賞作家である以前に“BL(ボーイズラブ)のオーソリティ”でもある」。簡にして要を得た紹介で、読む側もつい前のめりになってしまう、ナイスな暴れっぷりだ。
月魚 (角川文庫)


セカチューや冬ソナだけじゃない! 日本文学に〈純愛〉はひしめいている*3
これで『ラブ選』*4も、R25指定本です(斉藤氏に感謝)。
惜しむらくは、監修者名をも誤記(誤:芳井泰久→正:芳川泰久)されているところです(知らないのかな)。文芸評論家・フランス文学者芳川泰久氏の主な仕事は以下の通りです)。

私をブンガクに連れてって横断する文学―“表象”臨界を超えて (ミネルヴァ評論叢書・文学の在り処)闘う小説家バルザック書くことの戦場 後藤明生 金井美恵子 古井由吉 中上健次漱石論―鏡あるいは夢の書法小説愛―世界一不幸な日本文学を救うために書斎のトリコロール―世紀末フランス小説を読む (読書の冒険シリーズ)

*1:〈週に一冊は本でも読もうゼ! R25的ブックレビュー〉のコーナーは、web:R25.jpでも全文記事掲載されています。

*2:三浦しをん”の誤植ですがあえてそのまま表記。

*3:プレスリリース、送ってみるものである

*4:『日本文学にみる純愛百選』の愛称