『純愛百選』R25指定
日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentence
- 作者: 芳川泰久,江南亜美子,荻野哲矢,駿河昌樹,高頭麻子,十重田裕一,三ッ堀広一郎,望月旬,山崎敦,和久田頼男
- 出版社/メーカー: 早美出版社
- 発売日: 2018/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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R25〔アールニジュウゴ〕2007 6.28 No.148 (20076/29→7/05)
R25的ブックレビュー(今週のテーマ:人を好きになるってどういうこと?*1])にて、『日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentences』が掲載されました(斎藤哲也氏書評)。
……じつはこの本、「純愛」なる流行語を逆手にとって、安直な「純愛」概念を打ち砕く、とっても野心にあふれる文学アンソロジーなのだ。
それは執筆者たちが選んだ作品のラインアップを見れば、一目瞭然だろう。阿部和重『ニッポニアニッポン』、色川武大『離婚』、深沢七郎『楢山節考』、町田康『夫婦茶碗』、綿谷りさ『蹴りたい背中』など、およそ共通点のなさそうな作品たちの引用が、〈純愛〉という名のもとに肩をならべている……
なかでも斎藤氏は、執筆者望月旬(もちづき・じゅん)氏のエッセイ(阿部和重/重松清/町田康/舞城王太郎ら現代作家の作品多数担当)を、「〈読む気にさせる〉芸達者な文章」と評してくれている。
たとえば三浦しおん*2を評したエッセイの冒頭はこうだ。「“ぷんすか調”の、妄想力みなぎる文章にかけちゃあナンバーワンである三浦しおんは、直木賞作家である以前に“BL(ボーイズラブ)のオーソリティ”でもある」。簡にして要を得た紹介で、読む側もつい前のめりになってしまう、ナイスな暴れっぷりだ。
〈セカチューや冬ソナだけじゃない! 日本文学に〈純愛〉はひしめいている*3〉
これで『ラブ選』*4も、R25指定本です(斉藤氏に感謝)。
惜しむらくは、監修者名をも誤記(誤:芳井泰久→正:芳川泰久)されているところです(知らないのかな)。文芸評論家・フランス文学者芳川泰久氏の主な仕事は以下の通りです)。