2007年最終月

urotanken2007-12-17




【文芸その他】


[rakuten:book:12611806:detail]

文學界別冊文藝春秋」 
「オール讀物」編集長を歴任した名物編集者による 
珠玉の文壇回想エッセー集 

収録作家: 
池波正太郎菊池寛司馬遼太郎立原正秋、 
田中小実昌永井龍男平岩弓枝藤沢周平、 
向田邦子安岡章太郎山口瞳山田風太郎、等々


本の背表紙

本の背表紙

小林秀雄吉田健一堀口大學中上健次。30年間文芸編集者として密な関係を作った今は亡き作家たちの言葉が四季の移ろいに蘇る。


温泉文学論 (新潮新書)

温泉文学論 (新潮新書)

名作の源泉、ここにあり。漱石、賢治、川端、安吾、清張、つげ義春、名湯と創作の深い関係をさぐる異色の紀行的文芸評論。


編集者国木田独歩の時代 (角川選書)

編集者国木田独歩の時代 (角川選書)

日本初の写真雑誌で大成功をおさめた編集長は作家の国木田独歩だった。彼のもとには小杉未醒田山花袋らが集まり、女性報道カメラが活躍した。


日本のマラーノ文学

日本のマラーノ文学

現代日本文学における隠された出自
十五世紀以降のスペインでは、ユダヤ教徒イスラーム教徒が異端として激しい迫害に晒され、改宗や離散を強いられた。マラーノ=豚とはこの故郷を追われたユダヤ人のこと。文学の重要な契機を他者性と見るならば、出自を偽り、他者に身を窶す行為はその最たるものとなるだろう。それを「マラーノ性」という概念を提出し、在日朝鮮・韓国人、被差別部落出身者、さらにはホモセクシュアリティといったマイノリティ等々をあえてマラーノと呼ぶことで、ありえぬ想像上の自我のもとに説話の主体を引き受けるという、文学の本質に横たわる核心が浮かび上がってくる。李香蘭立原正秋中上健次松田優作、帷子燿(かたびらあき)、はてまたプルーストパゾリーニ、「パッチギ」等をマラーノ性から縦横に論じ、新ジャンルを提唱する超意欲作。


 

翻訳と雑神

翻訳と雑神

朝鮮民謡と翻訳者の使命
姉妹書『日本のマラーノ文学』同様、豚=マラーノを基点に、マラーノ性と裏腹にある広義の翻訳実践の問題を本書は扱っていく。たとえば、『朝鮮民謡集』(岩波文庫)で知られる金素雲。彼は民族の言語が消滅することを憂い、民族の詩情を後世に残さんがために己の創作を放棄し、民話・民謡蒐集とその翻訳に生涯をかけた。いわば二重の意味で出自を詐称した行為であり、ある時期まで祖国韓国で売国奴と罵られたが、その翻訳の中身は驚くべきものであった。また、それを再訳する金時鐘岩波書店近刊)の実践。これらに通底する翻訳者の使命/熱情を西脇順三郎吉増剛造などの仕事とつなげ、アイデンティティと他者性の問題に鋭く切り込む。


小林秀雄の恵み

小林秀雄の恵み

晩年の大著『本居宣長』を読み解き、元祖「学問する知性」である宣長と、それに連なる小林秀雄、そして彼らの励ましを受ける自身をも語る愛のある論考。

日本詩仏訳のこころみ―朔太郎・中也・太郎・達治

日本詩仏訳のこころみ―朔太郎・中也・太郎・達治

日本詩仏訳の過程が、そのまま作品の高度な鑑賞、あるいは鋭い批評となる。日本近代詩に新たな光をあてる名著。


イギリス「窓」事典―文学にみる窓文化

イギリス「窓」事典―文学にみる窓文化

牛の目窓、オリエル窓など、イギリス特有の数々の窓をシェークスピアディケンズの英文学作品から引用して多数の写真とともに解説。


やみくも―翻訳家、穴に落ちる

やみくも―翻訳家、穴に落ちる


短歌の友人

短歌の友人





土曜日 (新潮クレスト・ブックス)

土曜日 (新潮クレスト・ブックス)



クラカチット

クラカチット

核爆弾をめぐる愛と冒険の物語。「クラカチット! P技師、住所を知られたし」。謎の新聞3行広告が意味しているものとは――。ここから、若き科学者が国際陰謀に翻弄され、原子爆弾と恋と冒険の波乱万丈のドラマは幕を切る・・・・・・。クラカチットとは原子爆弾のこと。核爆弾投下を20余年も前に予見し、
高い思想的使命と芸術性を併せ持って現代的課題に挑戦した、SFファンタジーの最高傑作。


女たち〈上〉 (河出文庫)

女たち〈上〉 (河出文庫)

女たち〈下〉 (河出文庫)

女たち〈下〉 (河出文庫)



白暗淵 しろわだ

白暗淵 しろわだ



アメリカン・スクール (新潮文庫)

アメリカン・スクール (新潮文庫)



先端で、さすわさされるわそらええわ

先端で、さすわさされるわそらええわ



セバスチャン (河出文庫)

セバスチャン (河出文庫)





【都市論・東京/大阪・鉄道文化論】



都市の詩学―場所の記憶と徴候

都市の詩学―場所の記憶と徴候


「人間とは何でしょうか、旅行に出るなんて!」 不断の旅行者ヴァルター・ベンヤミン。その旅行と都市をめぐるテクストにベンヤミンの「問い」を聞く。記憶と回想、物語と分身、複製技術と残余、批評と翻訳、決定と主権、歴史と現在……。19世紀の根源史へと向かった20世紀の批評家の思考を、21世紀にふたたび開くための、パッサージュがここにある。★未來社PR誌『未来』連載「大学の余白/余白の大学」をもとに、大増補。


出向けなかったが、田中純氏と大宮勘一郎氏のトークイヴェント〈ベンヤミン、あるいは都市の書法〉が、ジュンク堂書店新宿店で行われた。お二方、東大駒場時代の同輩らしい。



江戸の大普請 徳川都市計画の詩学

江戸の大普請 徳川都市計画の詩学


江戸とロンドン 
近藤和彦編/伊藤 毅編  山川出版社 5,040円 ISBN9784634527126

18世紀、遠く隔たった2つのメガロポリス江戸とロンドン。社会・空間・表象の具体相を示し、両者の類似性と相違点を明らかにする。


東京暮らし
川本三郎 潮出版社 定価1,680円 ISBN9784267017926

映画も好きだし、旅も好き。そんな川本三郎の「隠れ里」をもとめての町歩き。何処かにきっとあるに違いない「昔の姿」が蘇る。


東京の階段―都市の「異空間」階段の楽しみ方

東京の階段―都市の「異空間」階段の楽しみ方

豊富な写真とともに、その土地の由緒や、階段とその周辺の風景、階段散策の楽しみ方など、「都市の階段」の魅力を語りつくす。

泉麻人の東京・七福神の町あるき

泉麻人の東京・七福神の町あるき

人気コラムニストの著者が、「七福神巡り」の名目のもと、東京のまちを徘徊。その魅力を軽妙なエッセイで紹介。


鉄道―関西近代のマトリクス (いずみブックレット)

鉄道―関西近代のマトリクス (いずみブックレット)

関西の鉄道網の発達は、いかに文学作品を変容させていったのか。その「文化の往還」を探る画期的なシンポジウムの成果を収める。

論考に対する原武史氏のまとめが収録されているが、なかなかに面白い。



大大阪イメージ:増殖するマンモス/モダン都市の幻像

大大阪イメージ:増殖するマンモス/モダン都市の幻像

大正14年、大阪は面積・人口ともに東京市を抜き日本最大のマンモス都市になる。「大大阪」と呼ばれた当時をたどるユニークな研究。


【思想・哲学・社会・文化史】


新しい学〈1〉 (叢書・ウニベルシタス)

新しい学〈1〉 (叢書・ウニベルシタス)

「諸国民の世界もしくは国家制度的世界は人間たちによって作られてきたのだから、その諸原理はわたしたち人間の知性自体の諸様態のうちに見いだすことができる」と主張し、人文学の分野に〈コペルニクス的転回〉をもたらしたヴィーコ。その主著である1744年版『新しい学』の新訳(完訳)がついに刊行を開始する(全3分冊)。第1分冊には、総序「著作の観念」と第1巻「原理の確立」を収める。



[rakuten:book:12655776:detail]


サド―切断と衝突の哲学 (哲学の現代を読む)

サド―切断と衝突の哲学 (哲学の現代を読む)

;18世紀思想が有する「現代性」とは何か? サドの哲学を18世紀当時のことばで透視する……そこには猟奇なサド像を超え、時代に抗う孤立者としての相貌が! ディドロホッブズら同時代人の言述を検証しつつ「悪」の現代性を・・・

ドゥルーズ/ガタリの現在

ドゥルーズ/ガタリの現在

没後10年以上を経た今でもなお、使える思想家の筆頭であり続けるドゥルーズ。こうした俗流ドゥルーズ主義の風潮を前に、哲学者としての到達点を正確に示すべく、多様な30人の研究者により行われた共同研究の成果。


反哲学入門

反哲学入門


シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性

シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性


自動車爆弾の歴史

自動車爆弾の歴史


批評の精神分析 東浩紀コレクションD (講談社BOX)

批評の精神分析 東浩紀コレクションD (講談社BOX)


カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師

カルダーノのコスモス―ルネサンスの占星術師


[rakuten:book:12655777:detail]




60年代の河出書房版文学全集の編目や配本順、装丁、判型、定価ほか、幅広く目配りをして60年代の空気を再現した日本出版文化史。

脳と日本人

脳と日本人


誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義

ついに登場。最強最良の近現代史。好評『17歳のための世界と日本の見方』待望の続編が、激動の近現代の姿を魅力的に解説。


日本の行く道 (集英社新書 423C)

日本の行く道 (集英社新書 423C)

「家」「教育」「政治」「経済」のことどもにある「私たちの気の重さ」に、橋本治が「一発かませる」比類なき本。

夢の世界とカタストロフィ―東西における大衆ユートピアの消滅

夢の世界とカタストロフィ―東西における大衆ユートピアの消滅

近代の夢が破局を迎えた冷戦の終結ネオリベラリズムに簒奪された歴史を再び目覚めさせようとする試み。

想起の空間―文化的記憶の形態と変遷

想起の空間―文化的記憶の形態と変遷



「歓待」の精神史 (講談社選書メチエ)

「歓待」の精神史 (講談社選書メチエ)

現代思想の重要な概念として注目を浴びる「歓待(ホスピタリティ)」。北欧神話を素材にその思想の根源をさぐり現代に接続する意欲作。


女と男と子どもの近代 (世界史リブレット)

女と男と子どもの近代 (世界史リブレット)

16〜18世紀のフランス、アンシャン・レジーム期における女と男と子どもの関係を、その生き方や日常性における変化を軸に考察。



ローマ・カトリック教会の歴史

ローマ・カトリック教会の歴史

神学者アウグゥティヌスから、現代の肖像マザー・テレサまで。ローマ・カトリック教会の全容を明らかにする通史。


世界の大宮殿 (空から見る驚異の歴史シリーズ)

世界の大宮殿 (空から見る驚異の歴史シリーズ)

現代人の想像をはるかに超える大宮殿の数々を、迫力の航空写真で紹介。名だたる宮殿全29の全容がわかる。


歴史叙述としての映画―描かれた奴隷たち

歴史叙述としての映画―描かれた奴隷たち

映画の中で、奴隷はどのように描かれてきたのか。そしてその抵抗は。歴史を語るメディアとしての映画の可能性を考察。

評論家・阿部嘉昭ブログ界に身を投じ、60〜70年代のロック、映画、漫画、文学、ワーキングプアといった社会事象を考察する。

合コンの社会学 (光文社新書)

合コンの社会学 (光文社新書)

きわめて社会学的現象である合コンという営みに隠された意味を白日のもとにさらす。本邦初の合コンに関するアカデミックな研究書



マンガは変わる―“マンガ語り”から“マンガ論”へ

マンガは変わる―“マンガ語り”から“マンガ論”へ

 

ついに大学に講座ができた 「マンガ表現論」。
現代思想・批評の最先端を担う 「ポストモダンサブカル論」。この二つを架橋して言論界に大きな断層をもたらした
『テヅカ・イズ・デッド』 の著者の10年余の批評活動を集大成。
過去のマンガとマンガ論が臨界に達し、変容していく様を浮かび上がらせ、未来を展望する待望のマンガ全論

世界最大デジタル映像アーカイブ INA (文庫クセジュ)

世界最大デジタル映像アーカイブ INA (文庫クセジュ)

消失の危機にある映像・音声資料を保全する INA(フランス国立視聴覚研究所)が進める先端的かつ壮大な事業を紹介。インターネットを通じての映像資料の公開までの道のりと、今後の展望を解説。放送、映像関係者の必読書。


東京の編集

東京の編集

時代を紙上で見せてきた敏腕編集者を特集したもの。雑誌文化など、ああこんな時代であったかと覗くことができる。


見世物〈4号〉―見世物学会・学会誌

見世物〈4号〉―見世物学会・学会誌

興行元と研究者による見世物研究雑誌待望の4号。名古屋大須演芸場、浅草木馬亭でのライブ収録の特集など、読み物、写真満載。


【数学】

数と量の出会い 数学入門 (大人のための数学 1)

数と量の出会い 数学入門 (大人のための数学 1)

数学の翼で、時を超え、無限の空へ――
現代社会は数学の「果実」に満ち溢れている。情報洪水の中、確かな数学の眼を持ちたい――数学の誕生を、「数と量の出会い」の視点から説き起こし、分数と小数、0と負の数の導入、無限の海のなかの実数、時間の流れと関数概念の誕生まで、広い視野で描く。数もまた時代の産物、社会から急速に分数が消えていっているわけを解き明かす。


【芸術・建築】


綺想の表象学―エンブレムへの招待

綺想の表象学―エンブレムへの招待


松井冬子画集
松井冬子 河出書房新社 5,250円 ISBN9784309907574

若手日本画家の最右翼・松井冬子の処女作品集。初期幽霊画や、彼女を一躍有名にした「浄相の持続」、軸物から屏風絵・タブロー作品など。

美術手帖 2008年 01月号 [雑誌]

美術手帖 2008年 01月号 [雑誌]



スターリンと芸術家たち

スターリンと芸術家たち

ソ連崩壊後、次第に明らかになってきた資料が示す、スターリン時代の芸術家たちの赤裸々な真実。創造的知識人と権力の関係を問う。

[rakuten:book:12655734:detail]

はだしの小学校、屋上庭園などなど、巨大建築と一線を画す住まいと暮らしをやわらかに語る、女性建築家の草分け的存在のエッセイ集