5月など(既刊未刊問わず)

urotanken2008-05-22




【文学】


兎とよばれた女 (ちくま文庫)

兎とよばれた女 (ちくま文庫)

神さまは兎のすべてでした。
とにかく神さまが好きだったから。兎は、どんなに苦しくても孤独でも美と純粋を求めつづけたのでした。少女文学の真骨頂。

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

イヌよ、イヌよ、おまえたちはどこにいる?
キスカ島に残された4頭の軍用犬北・正勇・勝・エクスプロージョン。彼らを始祖として交配と混血を繰りかえし繁殖した無数のイヌが国境も海峡も思想も越境し、“戦争の世紀=20世紀”を駆けぬける。炸裂する言葉のスピードと熱が衝撃的な、エンタテイメントと純文学の幸福なハイブリッド。文庫版あとがきとイヌ系図を新たに収録。

酩酊船 森敦初期作品集 (講談社文芸文庫)

酩酊船 森敦初期作品集 (講談社文芸文庫)

日本の文学風土を超える未完の実験
昭和9年横光利一の推輓で新聞連載された、森敦22歳の文壇デビュー作「酩酊船」。小説を書きはじめようとする青年の思考を日記やノートで辿ることそれ自体が、その小説の実現を意味するという冒険的試みで、のちに独自の創作理論を打ち立てることとなる著者の資質がいかんなく発揮される。そのほか19歳の作「酉の日」から36歳の作「夏の朝」まで、貴重な初期作品5篇を精選。

キャラクターズ

キャラクターズ

前代未聞の挑発的話題作。「批評」の「キャラクター小説」化!
主人公=キャラクターとしての批評家・東浩紀。書き手=実在の批評家・東浩紀ライトノベル作家桜坂洋。二人に与えられた武器は「キャラクター」という古くて新しい概念。「私」とセックスと死を描く日本文学、その脱構築として。「自然主義的リアリズム」、その文学環境崩壊の中で。主人公・東浩紀は、分裂し、暴走し、そして……。

マノンの肉体 (講談社文庫 つ 27-2)
装幀:ミルキィ・イソベ
マノン・レスコー』には肉体の描写がないーー発熱が続くゆえか、入院中に娘に朗読してもらった名作に思いもかけない特徴を探り当てた神経は、故郷和歌山で起きた奇妙な無理心中事件の新聞記事や調書の行間に何を見いだすのか。表題作をはじめ、官能の迷宮としての小説の可能性を切り開いた意欲的作品集。

東京島

東京島

桐野夏生
あたしは必ず、脱出してみせる――。ノンストップ最新長篇!
32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!

空からぎろちん (講談社文庫 な 41-16)

空からぎろちん (講談社文庫 な 41-16)

エッセンス・オブ・久坂葉子

エッセンス・オブ・久坂葉子

りすん

りすん

生きてるものはいないのか

生きてるものはいないのか

あやしい都市伝説がささやかれる大学病院で、ケータイ片手に次々と、若者たちが逝く――。とぼけた「死に方」が追究されまくる、傑作不条理劇。第52回岸田國士戯曲賞受賞作品。


英文学への挑戦

英文学への挑戦

変愛小説集

変愛小説集

装幀・名久井直子
現代英米文学のなかから、変愛かつ純愛小説を集めたアンソロジー

「五月」 アリ・スミス
「僕らが天王星に着くころ」 レイ・ヴクサヴィッチ
「セーター」 レイ・ヴクサヴィッチ
「まる呑み」 ジュリア・スラヴィン
「最後の夜」 ジェームズ・ソルター
「お母さん攻略法」 イアン・フレイジャー
「リアル・ドール」 A・M・ホームズ
「獣」 モーリーン・F・マクヒュー
「ブルー・ヨーデルスコット・スナイダー
柿右衛門の器」 ニコルソン・ベイカー
「母たちの島」 ジュディ・バドニッツ

バーデン・バーデンの夏 (新潮クレスト・ブックス)

バーデン・バーデンの夏 (新潮クレスト・ブックス)

レオニード・ツィプキン著 沼野恭子
私はドストエフスキーの妻アンナの日記を携え旅に出た――ロシアの幻の傑作!
語り手は、汽車でモスクワからレニングラードに旅するユダヤ人の旅行者。アンナの日記には、新婚の夫妻がヨーロッパに滞在し、バーデン・バーデンで夫が賭博熱にとりつかれ、借金を抱え、感情の爆発に悩まされ、屈辱を味わい、怒り、後悔し、妻に懇願する姿が描かれている……二つの旅が渾然と溶け合う、二つの愛の物語。

二十世紀フランス小説 (文庫クセジュ)

二十世紀フランス小説 (文庫クセジュ)

*1
プルーストからペレックやトゥーサン、そして日本では未邦訳の作家にいたるまで一挙に紹介。個々の作品の出自と背景、作品どうしの相互関係を解説しつつ、小説というジャンルの特異性と絶えざる変容をあきらかにする。読者の愉しみを倍増させる、頼れる読書案内。

零度のエクリチュール 新版

零度のエクリチュール 新版

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)

ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)


カシタンカ・ねむい 他七篇 (岩波文庫)

カシタンカ・ねむい 他七篇 (岩波文庫)

日本におけるチェーホフを考えるとき,神西清(1903−1957)の名を抜きにしては語れない.短篇の名手の逸品を翻訳の名手が手がけた9篇,これに訳者のチェーホフ論2篇を加えた〈神西清チェーホフ〉とも言うべきアンソロジー.表題作の他に,「アリアドナ」「かき」「少年たち」等を収録.(解説=神西敦子・川端香男里


木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)

木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)

消え去ったアルベルチーヌ (光文社古典新訳文庫)

消え去ったアルベルチーヌ (光文社古典新訳文庫)



文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

光の曼荼羅 日本近代文学
安藤礼二 講談社 5月26日予定 2,940円 ISBN9784062145435
埴谷雄高武田泰淳江戸川乱歩南方熊楠鈴木大拙折口信夫。独自に存在する大著に思想の糸を通し、近代文学の本質に迫る。

黒死館殺人事件 (河出文庫)

黒死館殺人事件 (河出文庫)




【エッセイ】




孕むことば

孕むことば

赤ちゃん教育 (講談社文庫 の 14-1)

赤ちゃん教育 (講談社文庫 の 14-1)

人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫)

人間はどこまで耐えられるのか (河出文庫)

死ぬか生きるかの極限状況を科学する! どのくらい高く登れるか、どのくらい深く潜れるか、暑さと寒さ、速さなど、肉体的な「人間の限界」を著者自身も体を張って果敢に調べ抜いた驚異の生理学。

「自分」から自由になる沈黙入門

「自分」から自由になる沈黙入門


男の隠れ家を持ってみた (新潮文庫)

男の隠れ家を持ってみた (新潮文庫)


古本屋めぐりが楽しくなる新・文學入門
岡崎武志山本善行
工作舎 予価2415円(本体2300円)四六判 約450頁 2008.6月10日刊行予定
人気古本ライター・岡崎武志と関西古本業界の雄・山本善行の痛快な文学談義。絶版文庫、随筆、詩集…埋もれた名作を古本めぐりで発見する楽しみ。そしてついに、二人の独断と偏見に満ちた架空の日本文学全集企画が全貌をあらわす。

【歴史】【文化史】【芸術】



文化史とは何か

文化史とは何か

崇高の美学 (講談社選書メチエ)

崇高の美学 (講談社選書メチエ)

カントからヒロシマまで 人間を考え直す強靭な思考
「崇高」とは何か?18世紀にアイルランド人思想家エドマンド・バークによって静態的な「美」に対置する美的カテゴリーとして規定され、カントによって哲学的に厳密な概念として確立された「崇高」という概念は、ヒロシマの惨劇に象徴される、テクノロジー社会と人間という現代の大きな問題を考え直す思考として生まれ変わる。「なんの変哲もない石ころ」への凝視から始まる、美学の新たな可能性。


フリーメイスンのすべて:その歴史・象徴・秘密

フリーメイスンのすべて:その歴史・象徴・秘密


女性を弄ぶ博物学―リンネはなぜ乳房にこだわったのか?

女性を弄ぶ博物学―リンネはなぜ乳房にこだわったのか?

10余年ぶりの増刷!

リンネが命名した「哺乳類(ママリア、字義どおりには乳房類)」という分類名には、女性を妻・母のジェンダーに限定していく裏面もあった。18世紀の博物学者の虚妄を暴く

復興期の精神 (講談社文芸文庫)

復興期の精神 (講談社文芸文庫)

乱世を生きぬく強靭な知性
独創的かつ大胆な発想とレトリックを駆使、ルネッサンス期に生きたレオナルド、ルター、更にポー、ゴッホら22人の巨人達を俎上に載せ、滅亡に瀕した文化の再生の秘密を探る。戦時下、自由な言論が窒息するなかで書き継がれた本書には、目前に迫る滅びから必死の反撃を試みんとする比類のない抵抗精神と、生涯を貫く「近代の超克」への強烈な意志が凝縮している。花田清輝の代表作にして古典的名著。

生態と民俗  人と動植物の相渉譜 (講談社学術文庫)

生態と民俗 人と動植物の相渉譜 (講談社学術文庫)

自然の命を享受し自然に神・霊を感じて生きる日本人の知恵
食料や燃料を恵み、道行く際の標となり、また神の依り代となる樹。肉として薬として、あるいは害をなし、時に神の使者ともなる動物。人は自らをとりまく自然から何を享受し何を守ってきたのか。植物の活用と生命力への崇拝、動物との敵対とその霊性への畏怖。自然と相渉る人々の民俗事例と伝承を集め、培われてきた相利相生の思想の有効性を検証。

文字はこうして生まれた

文字はこうして生まれた

デニス・シュマント=ベッセラ著 小口好昭・中田一郎訳 岩波書店 B5判上製カバー 224頁 定価 4,725円 ISBN9784000253031
人類史上一大画期である文字の使用はどのように始まったのか.本書は最古の文字体系,楔形文字が財の授受を計算・記録する小さな道具と出納簿から誕生したという,象形文字説を覆す仮説を提示する.数の認識と抽象化,分業や官僚制,都市の成立などに関連づけつつ,人類の「書く」行為のまさに原点にスリリングに迫る.

[rakuten:book:12939983:image]
フォト・リテラシー 報道写真と読む倫
今橋映子著 中公新書 264ページ 定価819円 ISBN9784121019462
報道写真は真実を写しているのだろうか。われわれは何を読み取ればいいのか。作り手だけでなく、見る側の力を問い直す刺激的論考。


芸術におけるわが生涯〈上〉 (岩波文庫)

芸術におけるわが生涯〈上〉 (岩波文庫)


Les Roses バラ図譜

Les Roses バラ図譜


図説|ウィリアム・モリス―ヴィクトリア朝を越えた巨人 (ふくろうの本)

図説|ウィリアム・モリス―ヴィクトリア朝を越えた巨人 (ふくろうの本)


終着駅は宇宙ステーション

終着駅は宇宙ステーション

川上未映子の推薦文(以下)が帯に書かれている。

「難波田史男、
感じて考えて、書いて描いた。
冗談でもなく比喩でもなくて、
夢の無限を生きる力が
無数の彼から発行している。」

1974年、若き画家は、32才で海へ逝った──
60─70年代を駈け抜け、2000点余の絵を描いた昭和の少年は、何を見、想い、そして表現したのか。
未公開の日記、スケッチブック等、50冊を超える遺されたノートより、夭逝した芸術家の核心に迫る。


【思想】【哲学】【社会】【科学】


ミニマ・グラシア―歴史と希求

ミニマ・グラシア―歴史と希求

今福龍太著 岩波書店 四六判上製カバー 240頁 定価 3,675円 ISBN9784000248532
生きることが,他のなにものかに集約されることであってはならない──.全体調和の歴史を打破するための支えはどこにあるのか.ソンタグ,アレーナス,ヴェイユ,ソローら,生への誠実さを貫徹するために闘った人々の姿と思想を照らしつつ,「9.11以後」論を超えて,人間古来の視座の回復をめざし,倫理への探求をこころみる




NHKブックス別巻 思想地図 vol.1 特集・日本

NHKブックス別巻 思想地図 vol.1 特集・日本

<自由>の条件

<自由>の条件

東大オタク学講座 (講談社文庫 お 103-1)

東大オタク学講座 (講談社文庫 お 103-1)


ロベスピエール/毛沢東―革命とテロル (河出文庫)

ロベスピエール/毛沢東―革命とテロル (河出文庫)

雨宮処凛の闘争ダイアリー

雨宮処凛の闘争ダイアリー

思い出す顔 戸板康二メモワール選 (講談社文芸文庫)

思い出す顔 戸板康二メモワール選 (講談社文芸文庫)

昭和を代表する劇評家、推理作家、俳人戸板康二はまた、歌舞伎、映画、雑誌など、幅広い世界で蒐集した「ちょっといい話」を絶妙な筆致で描く無類のユーモリストだった。数多の著書から60代に書かれた『回想の戦中戦後』『思い出す顔』の2作品23篇を抄録。師折口信夫も市井の無名の人も同じあたたかい目線で捉えたエスプリ溢れる文章は、読む者に幸福感を与えてやまない。時代と人への芳醇なメモワール。

昭和三十年代主義―もう成長しない日本

昭和三十年代主義―もう成長しない日本

大ヒット映画「ALWAYS 三丁目の夕日」や「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」、橋本治『虹のヲルゴオル』、「いつでも夢を」、佐伯啓思『成長経済の終焉』、宮部みゆき模倣犯』、宮藤官九郎木更津キャッツアイ」、「明日があるさ THE MOVIE」、そして「ALWAYS 続・三丁目の夕日」と筒井康隆『美藝公』。これらの題材をもとに、昭和三十年代というレトロ・ブームから思想的背景にまで考察を深めていく。

ALWAYS 続・三丁目の夕日[DVD通常版]映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 [VHS]虹のヲルゴオル (講談社文庫)いつでも夢を [DVD]成長経済の終焉―資本主義の限界と「豊かさ」の再定義 (Kei books)
模倣犯〈上〉模倣犯〈下〉木更津キャッツアイ 5巻BOX [DVD]明日があるさ THE MOVIE [DVD]ALWAYS 続・三丁目の夕日[VHS]美芸公


表の帯文には、

日本は、
再び昭和三十年代をめざす。ただし、
〈右肩上がり〉無しで!

また、裏の帯文で、

「成長」が魅力を失ったいま、日本人が希求すべき生き方、
れが昭和三十年代主義であるーー。

と宣告する。

とりわけ、「クレヨンしんちゃん〜」からの分析が面白く、確かにそうだと頷けたのは、

いま、昭和レトロについていわれる「懐かしい」とは、個人史的な体験と結びついた感情ではなく、当時に共通して見られるある「様式」を美しいと感じて好む「趣味」の表明なのです。*2

たしかにその趣味趣向について、とやかく言うことも言われることもあるまい。それは趣味であればこそ、だ。それを主義にまで高められるものかどうかを、浅羽氏は考えてみているわけだ。ところで、クレヨンしんちゃんの映画では、大人たちが30年代的テーマパークにまいってしまって、世の中成り立たなくなるという設定らしい。そんなユートピアを企んだ〝イエスタデイ・ワンスモア〟の首領「ケン」は思想犯だと浅羽は言う。
 

だがそのユートピアが、世の中のあるべき姿を巧みに示し、現在を批判し、あるいは改革する基準を提供するものならば、それが捏造か史実かは大して問題ではありません。
 平成の現在、昭和三十年代をユートピア視して「捏造」するのも、「過去へ託して語る」という近代以前は定番だった思想表現テクニックを継承しているとはいえないでしょうか。
 もし、この「模範とされる過去」が、仮に史実であるなら、現代を過去へ逆行させる思想だという批判ももっともです。しかし、それは「捏造」なのです。理想を基に捏造された「ユートピア過去」ならば、それは、あるべき未来像の一つが記述の技法上の都合で仮に過去へ託されたのと変わらないでしょう。そう。「過去の捏造」とは即、「未来の構想」にほかならないのです。*3

続きは本書を読んでもらいたい。

共同研究 団塊の世代とは何か

共同研究 団塊の世代とは何か

目次
まえがき 15人の団塊論から見えてくるもの……御厨貴東京大学先端科学技術研究センター教授)
第1話 世代の12年周期説……佐伯啓思京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
第2話 「数」から見た団塊の世代……佐藤俊樹東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授)
第3話 「団塊の世代」はこうして作られた……平野啓一郎(作家)
第4話 なぜ人は「団塊の世代」を語りたがるのか……苅部直東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授)
第5話 なぜ団塊の世代無党派層が多いのか……若宮啓文朝日新聞社コラムニスト)
第6話 団塊の世代はよきフォロワーとして生きよ……飯尾潤政策研究大学院大学教授)
第7話 トヨタ団塊の世代は何をしてきたか……張富士夫トヨタ自動車株式会社会長)
第8話 団塊の世代が消費革命を先導した……松原隆一郎東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授)
第9話 「ゴールデン・サイクル」と団塊の世代……嶋中雄二(三菱UFJ証券 景気循環研究所長)
第10話 サブカルチャーから読む「団塊」……関川夏央(作家)
第11話 完成できなかった「家族物語」……山田昌弘中央大学文学部教授)
第12話 団塊の世代のこれから……残間里江子(プロデューサー、株式会社クリエイティブ・シニア代表)
第13話 社会保障へのインパクト……細川興一(元財務事務次官
第14話 団塊の世代の「負担」を考える……森信茂樹(中央大学法科大学院教授)


思想としての社会学―産業主義から社会システム理論まで

思想としての社会学―産業主義から社会システム理論まで

アウシュヴィッツ後の反ユダヤ主義―ポーランドにおける虐殺事件を糾明する

アウシュヴィッツ後の反ユダヤ主義―ポーランドにおける虐殺事件を糾明する

森達也氏、推薦!
1946年7月4日、ポーランドのキェルツェにおいて、ユダヤ人に監禁されたという子どもの嘘が引き金になり、地元住民が40人あまりのユダヤ人を殺害、財産を略奪した「ポグロム」(ユダヤ人迫害)が起きた。戦後最悪の虐殺事件であった。
ドイツの支配下にあったポーランド人は、アウシュヴィッツをはじめ、ナチスの蛮行を間近で知っていた。しかし戦時中にはイェドバブネで、戦後にはキェルツェで、大規模なポグロムが起きた。それは一体なぜなのか?
本書は最新の資料と研究により、まるで「推理小説」の謎解きのように、真相を暴いてゆく。ホロコースト共産主義を座標軸として、第二次大戦の独ソ関係、ポーランドソ連・連合国の関係、抵抗運動、社会構造、東西冷戦の始まり、スターリンユダヤ人政策、衛星国の状況、カトリックの動向、シオニズム運動など、1945年をはさむ十年間が厳しく検証される。最後は「反ユダヤ主義」の核心に迫り、戦慄を禁じえない。
森達也氏の推薦文を引く。「直視は辛い。でもしなければ。これは決して遠い時代の遠い国のお話ではない」


生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)


【フランス語】


フランス詩法 上

フランス詩法 上

フランス詩法 下

フランス詩法 下

フランス語の冠詞

フランス語の冠詞

入門段階でまず学ぶ文法事項でありながら、上級者でも判断に苦しむ冠詞の用法を、豊富な具体例に基づきながら平易明快な文章で分析し、フランス的精神の解読に挑んだ画期的名著。


【ブックデザイン・文字・書体】



idea (アイデア) 2008年 05月号 [雑誌]

idea (アイデア) 2008年 05月号 [雑誌]

文字のデザイン・書体のフシギ (神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2)

文字のデザイン・書体のフシギ (神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2)

フォントブック[和文基本書体編] (+DESIGNING)

フォントブック[和文基本書体編] (+DESIGNING)

祖父江慎さん監修による、主要日本語フォントを文字の形で分類をした書体見本帖です。明朝体・ゴシック体・楷書体・教科書体・新聞書体・学参書体等を中心に、漢字とかなにそれぞれに専用フォーマットを用意。かなフォーマットでは、50音+英数字、句読点、記号、ルビ字形等も確認できます。市販されているフォント以外に、大日本印刷凸版印刷、精興社という印刷会社専用書体も紹介しており、実用性、資料性の高い1冊となっています。

ブックデザイン ミルキィ流

ブックデザイン ミルキィ流

ブックデザインとは、どのような思考のプロセスによって、デザインするのでしょうか。
紙選び、特殊加工、インキの秘密、本の立ち姿、角背か丸背か、読ませる本文組み、編集者とのやりとり……などなど、ブックデザインに欠かせない「生きた知識」と「ドライヴする思考」をエートル・ユニークなブックデザインで熱狂的な支持を受ける、ミルキィ・イソベが語り尽くします。

【都市・鉄道】

[rakuten:book:12939984:image]
パリとセーヌ川 橋と水辺の物語
小倉孝誠著 中公新書 288ページ 定価882円 ISBN9784121019479
流れる川、不動の橋、揺れる心。パリの栄光と悲惨、喜びと悲しみを水面に浮かべ続けて生きたセーヌ川。その魅力を多面的に紹介。

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)

たいしたもんじゃないけれど、くちゃくちゃ噛んでいるうちに味が出てくるのでは……なるコンセプトのもとに結成された「東京するめクラブ」。村上隊長を先頭に好奇心のおもむくまま、「ちょっと変な」ところを見てまわった、驚天動地のトラベルエッセイ。まずは魔都・名古屋にて、名物喫茶メニュー〈甘口抹茶小倉スパ〉に悶絶トライ!

踏切みやげ

踏切みやげ


乗りテツ大全―鉄道旅行は3度楽しめ! (平凡社新書)

乗りテツ大全―鉄道旅行は3度楽しめ! (平凡社新書)

昭和電車少年 (ちくま文庫)

昭和電車少年 (ちくま文庫)

戦前東京の街、中国大陸、昭和の鉄道がよみがえる
ウルトラマンなどで独特の映像センスをみせた筆者が、戦前の東京、中国大陸、さらに戦後の風景を走った電車たちへオマージュをささげる。

電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書)

電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書)

宇田賢吉著 中公新書 288ページ 定価882円 ISBN9784121019486
時速一〇〇キロ以上の速さで数百トンの列車を率いて走行し、時刻通りにホームの定位置にピタリと停める……。このような職人技をもつ運転士は、何を考え、どのように電車を運転しているのだろう。また、それを支える鉄道の仕組みとはどのようなものだろう。JRの運転士として特急電車から貨物列車まで運転した著者が、電車を動かす複雑精緻なシステムと運転士という仕事をわかりやすく紹介する。


先月の

最長片道切符の旅

最長片道切符の旅

「最長片道切符の旅」取材ノート

「最長片道切符の旅」取材ノート

鉄道本が予告しているように、新潮社の鉄道本が目覚ましい。
それが、↓である。


日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道―全線・全駅・全廃線 (1) (新潮「旅」ムック)

日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道―全線・全駅・全廃線 (1) (新潮「旅」ムック)




これが今回の一押し!!!!!! である。正式なシリーズ名は、日本鉄道旅行地図帳 全線・全駅・全廃線である。















廃線というところでグッとくる人もあろう。

北海道から九州までの国内鉄道路線・駅・廃線地図を網羅した12号。毎月一号のペースで、北海道から九州まで刊行されていく一年間。北京オリンピックどころの話ではない。毎月日本のことが楽しみになれる。*4

関東・関西地区は2号を割くほか、東京・大阪でも丸々一巻を構成する。やはりウッとならずにはおくまい。





そのほかにつく別巻が凄〜い! 別巻は「旧領土・旧植民地編」(樺太・朝鮮・満州・台湾)である。

新潮社はやはり攻めの会社だ、末恐ろしい。監修は地図学第一人者、今尾恵介。それだけでなく、廃線を視野に入れたのはただのマニアへ向けた鉄ちゃんのためのサービスだけではなく、別巻内容からも想像し得るように、日本鉄道史を意識した十全なスタイルには、編集委員原武史氏の惜しみない協力があるに違いないのだ。だから、このシリーズは一般向けにも開かれている。

*1:三ツ堀様、献本いただきましてありがとうございます。自分で購った一冊は読書人の友にあげようと思います。

*2:〈第二章 嗜好と思想〉〜昭和「趣味」から昭和「主義」へ 80頁。

*3:〈第二章 嗜好と思想〉〜かつて思想家はユートピアを過去に託したーー捏造とは構想である 78頁。

*4:いつか、タモリ倶楽部で取り上げられるに相違ない。