2008.9新刊(8月新刊なども含む)




【文芸】




今月の超大作はこれ1冊で決まりだろう。もしかすると、今年の一冊かも知れない。楽しみでブルブル震える。発売日は、ビュトールの学会初日ゆえ、一気呵成に読むのは次週以降か。


聖家族

聖家族

装幀:菊地信義

古川日出男が“妄想の東北”からもう一つの日本史を立ち上げる、恐るべき大長編

日本の果て、青森ヤシャガシマの名家・狗塚家。“ばば様”に見守られて生きてきた狗塚の孫たち三きょうだいは、今それぞれが歴史と記憶の果てに立っていた。
古川日出男が“妄想の東北”からもう一つの日本史を立ち上げる、恐るべき大長編。最大最長最高傑作二千枚。

少し早いがこちらも文庫化される。ファンに愛されている作品らしい。たしかに、古川日出男の作家としての態度がよくわかる小説である。

ボディ・アンド・ソウル (河出文庫)

ボディ・アンド・ソウル (河出文庫)

二〇〇二年十一月から二〇〇三年七月、東京──主人公・フルカワヒデオによる、作家・古川日出男の創世記が今、語られる。肉体と魂のハーモニーが物語を神話へと導く。

こちらも楽しみ。

ばかもの

ばかもの

アルコールに蝕まれた青年と、片腕を失った女。取り返しのつかない、深い絶望の果てに生まれた、むき出しの愛。何が悪い。何も悪くない。こいつと生きていったらいい──。愛することの激しい痛みと官能的なまでの喜びを鮮烈に描き切る、待望の恋愛長篇。

地図男 (ダ・ヴィンチブックス)

地図男 (ダ・ヴィンチブックス)

ダ・ヴィンチ文学賞大賞&日本ホラー小説大賞大賞&ポプラ社小説大賞特別賞、同時期に3つの作品で3つの新人賞を受賞した驚異的才能によるデビュー作!仕事中の〈俺〉は、ある日、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇する。地図帖にはびっしりと、男の紡ぎだした土地ごとの物語が書き込まれていた──。

面白そうな小説を発見。古川日出男の小説を読むように、文から文へ、行文を追いかけるこちらの視線の着脱は軽やかな散歩の足取りみたく、リズムを認めるように滑っていく。風景を読んでいくメロディとリズムが、地図を読むことと重なっていく物語のスタンスは、土地=世界を相手取る『LOVE』*1のように舞台を拡げる。やはり勇気が湧いてくる物語のかたち。

 物語。
 物語? なんのために地図帖にそんなものが?
 わからない。だけど少なくとも、それらは読まれることを前提としていない。判読に耐える体裁を整えようという意思がまるでうかがえないのだ。
 もっとも厄介なのは、物語それぞれの展開にあわせて、書きこみ位置もちくいち移動することだ。たとえば楽器屋の配達トラックの移動にあわせて、《初富》→《船橋市二和》→《船橋市三咲》……といった具合に。つまるところ、所有者以外には異常なほど読み進めづらい。ページがぴったり閉じないほどの付箋や挿入紙片で、情報はほとんど無限に氾濫し、ある一人の人間のありとあらゆる記憶や着想を文字化した記憶集蔵体のような様相を呈している。
 それでも丹念に、辛抱づよく読む行為に沈んでいけば、物語の断片を拾い進めることはできる。
 どこかでひとつの物語の開始点にぶち当たれたら、文脈の指示やじかに記入された矢印にしたがって、物語の断片を順番に回収していく。
 すると、しだいに見えてくる。それはどれも、それぞれの土地土地に深い関連性を持った、行動の軌跡を地図上にえがく人物たちの物語群だ。長/短編に呼応する分量、年代、ジャンルなど、規格といえるようなものをほとんどもたず、共通項をあげるとすればたいてい三人称で、だれかに語りかけるような文体であるということ。そしてどれもリアリズムの地表からつねに数センチ浮いたような妄想譚であるということ。その二点くらいしかなさそうだった。*2





暗い旅 (河出文庫)

暗い旅 (河出文庫)


偏路

偏路

あとは、おとんに任せとけ! 東京で女優になる夢を諦め「都落ち」した娘と、どこまでも暴走する父が田舎の親戚宅で繰り広げる、夢と現実、愛と確執の物語。演劇界のトップランナーがすべての父と娘に贈る、抱腹絶倒の家族劇。特別付録:本谷家父娘対談。

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)

昭和21年4月に発表された「堕落論」によって,坂口安吾は一躍時代の寵児となった.処世術などクソ食らえ.自分にとって恥しくない内なる自己.他者などではない,この〈自己〉こそが一切の基準だ.それと戦い続けること.作家として生き抜く覚悟に貫かれた安吾の視線は,物事の本質にグサリと突き刺さる.>(解説=七北数人)

世界見世物づくし (中公文庫)

世界見世物づくし (中公文庫)

僕の人生でも、オアシスではない、スコールをいつも仰望しているのだ。二三回徹底的にやって無一物になって、出発し直したものだ──若き日の無銭旅行に始まる流浪の人生。 長崎・上海・ジャワ・巴里へと至るそれぞれの土地を透徹な目で眺めてきた漂泊の詩人が綴るエッセイ。

パレオマニア 大英博物館からの13の旅 (集英社文庫)

パレオマニア 大英博物館からの13の旅 (集英社文庫)

大英博物館収蔵品から古代へ。知的興奮の旅
古代妄想狂を自称する男が大英博物館で気に入った収蔵品を選び、それが作られた土地を訪ねる。ギリシアの神殿へ、エジプトの遺跡へ、インドの仏塔彫刻の街へ。知的興奮と豊かな感動の旅。(解説/鶴見俊輔

江戸川乱歩短篇集 (岩波文庫)

江戸川乱歩短篇集 (岩波文庫)

大正末期,大震災直後の東京にひとりの異才が登場,卓抜な着想,緻密な構成,巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった.日本文学に推理小説の分野を開拓し普及させた江戸川乱歩(1894−1965)の,デビュー作「二銭銅貨」をはじめ「心理試験」「押絵と旅する男」など代表作12篇を収録.

小川未明集 幽霊船―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

小川未明集 幽霊船―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)


奇談異聞辞典 (ちくま学芸文庫)

奇談異聞辞典 (ちくま学芸文庫)

 



小銭をかぞえる

小銭をかぞえる

凄絶で目がそらせない、男のどうしようもなさ
同棲相手との金をめぐる喧嘩が悲喜劇的な表題作と、女が偏愛するぬいぐるみが悲惨な結末を迎える「焼却炉行き赤ん坊」の2篇を収録

四国八十八ヶ所感情巡礼

四国八十八ヶ所感情巡礼

私小説作家が今度は巡礼の旅に出た。その道中やいかに私小説を書き続け、「人をさんざん傷つけて来た」作家が、「少しは謝罪したいという虫のいい気持」から四国巡礼の旅に出たのだった。

おんな作家読本 明治生まれ篇

おんな作家読本 明治生まれ篇

作家を読み解く、文壇ハンドブック
林芙美子吉屋信子森茉莉宇野千代、城夏子、中里恒子・・・etc. 明治・昭和に活躍し、今なお根強い人気を誇る女性作家たち。その強烈な個性と知られざる逸話を、気鋭の著者が図録ふうにご紹介します。

少女はおばあさんになったけれど、詩の心は凛としてみずみずしい。神沢利子、10代から80代の未刊の少年・少女詩を収録。

小説、世界の奏でる音楽

小説、世界の奏でる音楽

そこに書かれていることを「真に受ける」こと、それが本当に考えるということだ――『小説の自由』『小説の誕生』につづく、読むこと、書くことをめぐっての小説家自身による決定的小説論、完結篇。連載中に亡くなった師・小島信夫への追悼文と追悼小説も収録。

小高へ 父 島尾敏雄への旅

小高へ 父 島尾敏雄への旅







店じまい

店じまい

手芸屋、文房具店、銭湯、自転車屋……あなたの町にもきっとあった、あの店この店。日常のふとした瞬間に顔を出す懐かしい記憶の断片を、瑞々しい感性と言葉でたどる。

どこにでもあった、あの風景
手芸屋、文房具店、銭湯、自転車屋……あなたの町にもきっとあった、あの店この店。本書は、日常のふとした瞬間に顔を出す懐かしい不在の光景を、瑞々しい感性と言葉でつづったエッセイ集。
「聖橋口の改札を出てすぐ、立ち食いそばやからの店つづきあたりで、待ちあわせることが多い。ここのマスターのハイボールは、天下一品だぜ。そう誘われ、連れていってもらったバーも、そのならびにあった。[……]一階はカウンターだけ、天井のひくい二階にはテーブルがあった。顔なじみのひとと行くときは、一階に肩をならべ、そうでないときは、注文してからあがった。のぼる手間を遠慮して、コップ持って行きますというと、いいからあがってな。あごをしゃくりあげられた。」
個性的な店主たちとのやりとりや、おっかない店番の犬、店に着くまでの散歩道──それぞれが短編小説さながらの記憶のかけらたちは、気がつけば、読者にとってもまた、何度も立ち返ることのできる場所となる。「ひとそろいの湯」「ふとんやの犬」「われない割れもの」「願かけどうふ」「提灯千秋楽」「あかい鼻緒」他、全27編。

名文を書かない文章講座 (朝日文庫)

名文を書かない文章講座 (朝日文庫)



空襲と文学 (ゼーバルト・コレクション)

空襲と文学 (ゼーバルト・コレクション)

ドイツが第二次大戦で被った惨禍はタブー化され、文学によって取り上げられことはほとんどなかった。ノサック、アメリー、ヴァイスなどの作品分析を通し、「破壊の記憶」を検証する。

破壊の記憶を凝視する渾身の評論
ドイツは、第二次大戦末期に主要都市のほとんどが壊滅し、多数の犠牲者を出すという惨禍を経験した。それにもかかわらず、この経験を正面から描いた文学作品はきわめて少ない。こうした精神的打撃は、ドイツ戦後社会の要請によってタブー化され、沈黙のなかで目を背けられ、国民の記憶から消し去られてしまったのだ。
これを検証するにあたって、ゼーバルトは、ノサック、アメリー、ヴァイスなどの文学作品を徹底分析する。たとえば、ヴァイスに関しては、作家の個人史を掘り下げることから始め、そのトラウマを刻まれた来歴が、犠牲者と加害者双方を捉え得た過程を丹念に追いかける。
ゼーバルトの関心は、ドイツとユダヤ人を問わず、惨禍を経験した人間存在そのものに向けられる。その姿は、目を見開いて廃墟を見つめ、風に逆らってとどまりたいと願う、ベンヤミンの「歴史の天使」が重なる。解説=細見和之

ディフェンス

ディフェンス

ナボコフの「最初の傑作」にして最高のチェス小説、待望の復刊! 天才チェスプレイヤー・ルージンに唯一の幸福をもたらすはずのチェスが、彼を狂気と破滅に追いやっていく──何よりもチェスを愛した作家が描く、孤高の物語。

パヴェーゼ文学集成〈1〉長篇集 鶏が鳴くまえに

パヴェーゼ文学集成〈1〉長篇集 鶏が鳴くまえに

パヴェーゼ自死の前年にみずから編んだ作品集「鶏が鳴くまえに」(1949)の本邦初の全訳.反ファシズムの廉でイタリア南端に流刑された経験をもとに書かれ,この時まで秘め置かれていた最初の長篇小説『流刑』.ナチ・ファッショと抵抗組織の間をさまよう主人公を描いた戦後の象徴主義的な作品『丘の中の家』を収める.

カロカイン−国家と密告の自白剤 (lettres)

カロカイン−国家と密告の自白剤 (lettres)

近未来。地球的規模の核戦争後の、完璧に全体主義的な警察管理体制下におかれた世界が舞台。30代後半のエリート化学者レオ・カールの発明した自白液剤「カロカイン」をめぐって、レオとその妻リンダ、それにレオの上司リッセンを軸に、人の〈心〉を求めずにはいられない人間の姿を描く。全体主義の足音が近づいてきていた1930年代の空気を濃密に反映しつつも、現代にリアルに通じる人間の本来性をみごとに描くSF的小説。

〈カリン・ボイエ〉スウェーデンヨーテボリに生まれる。ウプサラ大学でギリシア古典、古ノルド語を学び、在学中に初めての詩集を上梓。卒業後はスウェーデン王立アカデミーからの奨学金を受け手、海外各地に学びながら詩作を続け、エリオットやトーマス・マンの翻訳、評論などを仕事とする。日本では未知の作家だが、北欧を中心に欧米ではよく読まれてきた。とくにスウェーデンでは大衆受けではなく、ある一定のレベル以上の人ならば誰もが読み、誇りに思っている作家である。このボイエの代表作が本書。

寄宿生テルレスの混乱 (光文社古典新訳文庫)

寄宿生テルレスの混乱 (光文社古典新訳文庫)


天使の蝶 (光文社古典新訳文庫)

天使の蝶 (光文社古典新訳文庫)


椿姫 (光文社古典新訳文庫)

椿姫 (光文社古典新訳文庫)



カフカ・セレクション〈2〉運動/拘束 (ちくま文庫)

カフカ・セレクション〈2〉運動/拘束 (ちくま文庫)




モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)

モーム短篇選〈上〉 (岩波文庫)

長篇小説『人間の絆』『月と六ペンス』,評論『世界の十大小説』『サミング・アップ』の作家サマセット・モーム(1874−1965)は,絶妙な語りと鋭い人間描写で読者を魅了する優れた短篇小説も数多く残している.希代のストーリーテラーモームの魅力を存分に楽しめる作品を厳選,上巻に6篇,下巻に12篇を収録.

フランク・オコナー短篇集 (岩波文庫)

フランク・オコナー短篇集 (岩波文庫)

母の愛情をめぐる父と少年との熾烈な争い,神父の葬儀に届いた真っ赤な花輪の謎,過去を抱えた女に誘惑される風来坊…….戦争の影漂うアイルランドを舞台に,人々の日常に芽生える物語を,ユーモラスに,ミステリアスに描く,短篇の名手フランク・オコナー(1903−66).しみじみと読む歓びに満ちた11の世界.


リトル・ガールズ (ボウエン・コレクション)

リトル・ガールズ (ボウエン・コレクション)



鉄の時代 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-11)

鉄の時代 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-11)



恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫)

恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫)

愛の名著か背徳の書か.詩人に名声と流刑の運命をもたらした教訓詩は機知と諧謔で人の世の望みに応える.航海術や馬術同様,恋愛にもわざがある.遊びの恋,戯れの愛,洒脱と雅を離れることなく,知的にことを運ぶには…当時の男女に伝授する奇手巧手の話から〈黄金のローマ〉の社会や文化へと読者はいつしか誘われる.

時のかさなり (新潮クレスト・ブックス)

時のかさなり (新潮クレスト・ブックス)

ナチス統制下のドイツから、ブッシュ政権アメリカまで。四代にわたる子供たちが語りだす、ある一族の六十年。血の絆を辿り、絡まりあう過去を解きほぐしたとき明るみに出たものは、あまりに痛ましい真実だった――。フェミナ賞受賞、魂を揺さぶる傑作長篇。

記憶に残っていること (新潮クレスト・ブックス 短篇小説ベスト・コレクション)

記憶に残っていること (新潮クレスト・ブックス 短篇小説ベスト・コレクション)

【創刊10周年特別企画】世界最高の短篇小説を堪能できる贅沢なアンソロジー
創刊以来、定評あるクレストの全短篇集から10篇を選んだベスト・コレクション。マンロー、トレヴァー、マクラウドら世界を代表する名手から、ラヒリ、イーユン・リーらの新鋭まで。現代最高の短篇小説を一冊に束ねたかつてないアンソロジー。編者・堀江敏幸氏による解説「人はなにかを失わずになにかを得ることはできない」を収録。

見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス)

見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス)

『停電の夜に』以来9年ぶりの最新短篇集。本年七月、フランク・オコナー賞受賞!
妻を亡くしたあと、旅先から葉書をよこすようになった父。仄見える恋人の姿。ひとつの家族だった父と娘がそれぞれの人生を歩む切なさを描く表題作。子ども時代から行き来のあった男女の、遠のいては近づいてゆく三十年を三つの連作に巧みに切り取った「ヘーマとカウシク」。ニューヨーカー等に書きつがれた待望の最新短篇集。

博物館の裏庭で (新潮クレスト・ブックス)

博物館の裏庭で (新潮クレスト・ブックス)

大家を押しのけ、権威あるウィットブレッド賞を受賞。懐かしく、滑稽で、豊穣な、ある家族の年代記
曾祖母の冒険、祖母の恋、母の夢。そして二度の世界大戦。四世代にわたる家族の歴史は、さながら無数の物語が詰まった博物館。その陰には、語られざる秘密があった──。一人ひとりの小さな物語を横糸に壮大な歴史を編み上げる、新しい「偉大なる英国小説」。イギリス各紙誌が絶賛した、恐るべき処女長篇。

ノリーのおわらない物語 (白水uブックス)

ノリーのおわらない物語 (白水uブックス)

可愛くて、お話を作るのが大好きなアメリカの少女がイギリスの小学校に転校して大活躍! 『中二階』『もしもし』の作家が自分の娘をモデルに、生き生きと描く子どもの世界。

マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)

マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)

エドウィン・マルハウス あるアメリカ作家の生と死
スティーヴン・ミルハウザー著 岸本佐知子訳 白水社 四六判上製402頁 税込価格2310円 ISBN978-4-560-04768-2


ミルハウザーの「幻の傑作」がついに復刊される! 11歳で死んだ天才作家の伝記、しかも書いたのは同い年の親友という意表をつく設定。そこに描かれる濃密な子供の世界は読む者を圧倒する。

【編集者よりひとこと】
この小説は子供の世界をスーパーリアルに描きながら、その主人公と書き手の双方がともに子供としてはありえざる人間だという点できわめて特異であり、それこそがこの小説をミルハウザーの作品中最高の一作にしている。1990年に他社から刊行されてほどなく絶版となり、コレクターズ・アイテムとなっていた傑作の待望の復刊である。








現代社会】



メメント

メメント

ペットの寿命。死後の世界について。宗教が果たす役割。戦争や大量殺戮が起きる理由。殺人事件はなぜニュース・バリューを持つのか…話題作『死刑』の著者が“生と死”について思索するロングエッセイ。

アキハバラ発―〈00年代〉への問い

アキハバラ発―〈00年代〉への問い

秋葉原でおきた殺傷事件.「犯行は許せないが犯人の心情に共感する」という同世代の声にどう向き合うか.非正規雇用の拡大やコミュニケーションの変容など〈00年代〉の社会状況に位置づけたとき,この事件は何を問うているか.大澤真幸森達也東浩紀平野啓一郎本田由紀斎藤環内田隆三ほか,第一線の論者の発言.



エコノミック恋愛術 (ちくま新書)

エコノミック恋愛術 (ちくま新書)



戦後SFマンガ史 (ちくま文庫)

戦後SFマンガ史 (ちくま文庫)


素人の乱

素人の乱

前史からとんでもない1号店オープン、俺のチャリ返せデモ、PSE法反対デモなどを経て、杉並区議選=高円寺一揆とその後まで、総勢30名以上の証言と文章によって、噂の「素人の乱」の全軌跡をはじめてたどった注目の一冊。

恋するコンピュータ (ちくま文庫)

恋するコンピュータ (ちくま文庫)

知性はいつ生まれるのか。情緒はどのように育つのか。コンピュータ研究を通して脳の営みを見つめる、やわらかな思考の冒険。

Around40 アラフォー白書

Around40 アラフォー白書

テレビ・雑誌で話題のAround40「アラフォー」世代に真実を問う 本当に欲しいものはなんですか? “結婚か仕事か”“出産か仕事か” そんな風に選択したことはなかった。常に今あるものにプラスONで生きてきたから 四捨五入して40歳になる女性。注文も、要求も、選択肢も多いアラフォー世代123人の生の声! 結婚、仕事、恋、家族、出産、男、社会、性、夢…


大人も知らないお金のカラクリ フリーターになるとどうなるの? (かがくるBOOK)

大人も知らないお金のカラクリ フリーターになるとどうなるの? (かがくるBOOK)



つなげる力

つなげる力

まったく違う要素をつなげることで、人生は開ける
リクルートから公立中学校長へ。進学塾「サピックス」を招いた「夜スペ」など、実際に指揮したプロジェクトを例に、成功する法則を考える

エコ・ロゴス ―存在と食について―
雑賀恵子 人文書院 四六判上製244頁 価格2500円 9月下旬


食べるということ、生きるということ
「未来」誌上で注目された連載「Sein und Essen」(2005〜2007年)の書籍化。自然環境、生命体と「食べること」の根源的関係を、自然科学の知見と歴史や映画、文学など該博な知識をもとに、鮮烈な視点と美しい文章で綴る思想的エッセイ。エコロジーとエコノミーをつなぐ論理、そして倫理…。西成彦先生、推薦。

空腹について

空腹について

空腹を経験したことのない若者さえいるこの時代。私たちの身体に何が起きているのか。
薬学、農学、社会思想史など多分野の専門知識を駆使し、「空腹」 からはじめる世界論。
コロンブスの卵のように面白い! なぜお腹が空くのか。食糧は人口より多いのに飢餓はなぜあるのか。
空腹に悩む人たちは何を食べているのか。人食いはなぜタブーなのか・・・・・・






【歴史(文化史)・書物・本棚】




実体への旅―1760年-1840年における美術、科学、自然と絵入り旅行記

実体への旅―1760年-1840年における美術、科学、自然と絵入り旅行記

大事な大事な一冊をすっかり失念してしまっていた大著。値段の高さもあって忘却の彼方にあったが、書店で見かけて購入。スタフォードの著作のなかでも、もっとも気になっていた一冊。高山さんの気迫溢れる訳文の波に、時間を忘れて、久々に乗ってみたい。

ヨーロッパ中世象徴史

ヨーロッパ中世象徴史

象徴から読み解く西欧中世
本書は、紋章学者として出発したパストゥローによる、西欧の中世という時代を象徴の観点からみた歴史の書である。
中世において、人々は色彩や物質を現実的な性質や有用性よりも象徴によって、尊んだり忌んだりしていた。また名前はものの本質を表わすとされ、しばしば語呂合わせのような理由で優劣がつけられていた。たとえば「イスカリオテの」ユダとは現在、「カリオトの人」ユダの意とされるが、中世のドイツ語では「真っ赤である」を意味する語句と音が似ていたために、地獄の劫火を心に抱えているゆえの赤と見なされ、赤は裏切りの象徴とされた。そこから、髪の色による差別の発想が生まれ、絵画やステンドグラスに描かれる人物の髪や服の色が、現実とは無関係に決定されていく。色彩が、その人物の性質をあらわす象徴となっているのである。
「動物」「植物」「色彩」「紋章」「遊戯」などのテーマごとに、象徴を読み解くことで、中世の人々の価値観までがわかってくる。象徴や紋章はもちろん、広く中世の文化史に関心のある方、必読の一冊。

図説 不潔の歴史

図説 不潔の歴史

「体なぞ、洗ったこともない」古代から現代にいたる衛生観の変遷を多くの図版とコラムとともに紹介した「不潔通史」!

公衆浴場で体をオイルでぴかぴかに磨き上げたギリシャ・ローマ時代から、キリスト教の影響下、体を洗わなくなった中世を経て、とことん汚れと臭いを遠ざける現代にいたる、衛生観の変遷を多彩な図版とコラムとともにたどった労作がついに邦訳!



アリス狩り 新版

アリス狩り 新版

自然学曼陀羅ー物理・感覚・生命・芸術・仏教から

自然学曼陀羅ー物理・感覚・生命・芸術・仏教から

物理学とインド哲学、定常宇宙論空海密教、生物学と神秘学、現代美術とタオイズム…専門性・分業性の閉塞状況を破る全自然学論考。情報文化論を展開する著者の処女作。

復刊。松岡正剛本に入門するにも良い。


図書館 愛書家の楽園

図書館 愛書家の楽園

異色のメディシス賞作家による書物礼賛
libraryとは、図書館にかぎらず、書斎や書庫など、複数の本が集まった状態、または場所をさす。データをまとめたファイルや、資料室を意味する場合もある。鞄に入った数冊の本も、ロバの背に乗せて運ばれる巡回図書館も、すべてlibraryである。
なぜ人は書物という形の情報(データや記憶ともいいかえられる)を集め、図書館や書斎を形作るのだろう? 本書はこの問いに始まり、古今東西の実在・架空の図書館を通して、書物と人の物語を縦横無尽に語る。サミュエル・ピープスの書棚の工夫、キプリングボルヘスセルバンテスらの書斎の本、ラブレーボルヘスらが思い描いた想像の書物と想像の図書館、アントニオ・パニッツィの図書館改革、ナチスソ連強制収容所にあった図書室など、数々の興味深いエピソードとともに、あらゆる角度から図書館の歴史に光があてられていく。
著者は1948年ブエノスアイレス生まれ。学生時代、書店でアルバイトをしていたときにボルヘスの知己を得、視力の悪化した作家に本を朗読する仕事をした経験をもつ。
書物と人の過去・現在・未来を探る、異色のエッセイ。

本の狩人―読書年代記

本の狩人―読書年代記



本棚〈2〉

本棚〈2〉

やっぱり、あの人の本棚もおもしろい。
大好評の「本棚」シリーズ第2弾! 今回は、有栖川有栖安西水丸岡崎武志神林長平菊地秀行COCO、立本倫子、都築響一西加奈子、藤本やすし、やくみつる山崎ナオコーラ山村浩二夢枕獏、総勢14人の方々の本棚を、たっぷりフルカラーで紹介、本や本棚への想い、こだわりをじっくり語っていただきました。

【思想・哲学・社会・心理・臨床医学・宗教・科学】




哲学の歴史〈別巻〉哲学と哲学史

哲学の歴史〈別巻〉哲学と哲学史



社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

後期近代の眩暈―排除から過剰包摂へ

後期近代の眩暈―排除から過剰包摂へ

文化的包摂と構造的排除
テロリズムへの不安、移民、暴動、厳罰化。仕事やコミュニティや家族の急速な変化。セレブリティとワーキングプア──『排除型社会』 で社会的排除を尖鋭に描いた社会学者が、経済的・社会的な不安定さと剥奪感をもたらす 「過剰包摂」 の問題を摘出し、新たな政治への理論基盤を提示する。




三つのエコロジー (平凡社ライブラリー)

三つのエコロジー (平凡社ライブラリー)

浅はかなエコ志向が孕む構造的問題を鋭く突き、エコロジー思想には環境、社会、精神の三つが必要だと説く。これら三領域は、美的・倫理的な新たな知=エコゾフィーに属するだろう。解説=マサオ・ミヨシ

哲学者、怒りに炎上す。

哲学者、怒りに炎上す。

フランスの在野哲学者=ミシェル・オンフレの時評集。失業直前の精神分析医を皮肉り、フランス大統領選にツッコミを入れ、欧州憲法条約を手玉にとり、同業の哲学者に当てこすり……。怒りに燃える哲学者のユーモラスな思索の日々。

フッサール?傍観者の十字路 (哲学の現代を読む)

フッサール?傍観者の十字路 (哲学の現代を読む)

キミそしてオレ。宿命の反復にピリオドは無い

あらかじめFremde(よそ者)な俺たちが立ち止まる、この十字路! 〈さいはて〉のWelt(世界)。終わりなき分岐と合流、在るか無きかも分からぬ〈純粋〉の探索。もはや救いは…要らぬ!

オレたちに救いは要らない
「生まれたときからよそ者さ」そういい続けてはばからない、なにやら鼻持ちならない野郎がいたとしよう。勝手にすりゃあいいだろう、そんなヤツはほっておけ、と普通なら誰もが思うだろう。そう思わない哲学者がいた。フッサールである。「なぜなら誰もが〈よそもの〉であるからだ」じゃあ、みんなバラバラに生きていくしかないの? そう。バラバラな人間たちの交差する十字路、それこそがこの世界なんだ。しかもその世界は終わることなく分岐と合流を繰り返す。たいへんだ、ワケがわからねえ、と動揺するまえに、フッサールは言う。「超越せよ」と。形なき十字路をどこまでも追いかける、終わりなき「旅」をつづけよ、と。〈わたし〉と〈世界=他者〉はときには交差するものの、絶えず分裂する。そのふたつの運動を「傍観者」として眺める位置に立つことができるか?
「生まれたときからよそ者さ」そう呟いてみることは、「行き着くことない〈さいはて〉の地点」を目指して旅立つ者たち(=オレたち)の出発のマニフェストだ。でも、もしかしたら、誰も気づいてくれないかもしれない……構いやしないさ。生まれたときから〈よそもの〉なんだから。

わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫)

わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫)


シネマ 1*運動イメージ(叢書・ウニベルシタス 855)

シネマ 1*運動イメージ(叢書・ウニベルシタス 855)


ニーチェと哲学 (河出文庫)

ニーチェと哲学 (河出文庫)

対話

対話

『アンチ・オイディプス』を経て、『千のプラトー』を刊行する直前にドゥルーズが、その思考のエッセンスを鮮やかにまとめた名著『ドゥルーズの思想』を28年ぶりに新訳。ドゥルーズの重要な概念と『千のプラトー』への最良のガイド。

暴力と人間存在

暴力と人間存在

社会に隠された暴力をあばきその深層と本質を解明する戦争・殺人・いじめ……。人間存在に深く巣くっている暴力。その本質は何なのか。暴力の深層を掘り下げ、社会に潜む暴力を暴き出した、思想的考察の画期的成果。

「かたち」の哲学 (岩波現代文庫)

「かたち」の哲学 (岩波現代文庫)

同じ「かたち」をしているものは,同じ存在といえるだろうか? 視覚と触覚の違いとは? 「かたち」からは見分けのつかない双子の姉妹との恋愛物語のスタイルで,錯覚の問題,モリヌークス問題,「共通感覚」の問題など,古くから多くの哲学者たちによって議論されてきた「かたち」と存在をめぐる問題群をわかりやすくかたる.

カントの航跡のなかで―二十世紀の哲学 (叢書・ウニベルシタス)

カントの航跡のなかで―二十世紀の哲学 (叢書・ウニベルシタス)

20世紀哲学の4つの主要動向──現象学マルクス主義プラグマティズム分析哲学──は、互いに接近と反発を繰り返す激しい運動のなかで一つの同じ問題を共有してきた。それは、カントの批判哲学以後、表象と実践の真理が、歴史のなかでどう捉えられ構築されるのかという問題である。いずれの学派にも通じた現代随一の哲学史家が、カントを軸に現代哲学の新しい見方を切り開く画期的な論考。


神秘主義と論理

神秘主義と論理


臨床瑣談

臨床瑣談

「〈臨床瑣談〉とは、臨床経験で味わったちょっとした物語というほどの意味である。今のところ、主に精神科以外のことを書こうとしている」
本書は、精神科医としての長年の経験をとおして、専門非専門にかかわりなく、日本の医学や病院やその周辺について「これだけは伝えておきたい」という姿勢で書かれている。多方向からの視線ではあるが、病名を告知された患者側ができる有効なことは何かに主眼がある。
「現代は容赦なく病名を告知する時代である。告知の時代には、告知しただけの医師の覚悟も必要であり、また、告知された患者も茫然たる傍観者ではなく、積極的に何かを行ないたいだろう。患者もその家族、知己も、いつまでも手をつくねてドアの外で待つだけの存在では済むまい」
院内感染を防ぐには患者側はどうすればよいか。脳梗塞の昏睡患者を前にして家族にできることとは。さらにガンを持つ人の日々の過ごし方について、「丸山ワクチン」について――。その実用的な助言は、現代医療批判でもあり、自然回復力の大切さと有限性も視野に入れながら、医学の可能性と限界をくっきりと映しだしている。

彼女たち

彼女たち

これは、評論だろうか。思うに、ポンタリスらしい、エスプリの利いたエッセイ評論ではないかと想像する。


脳と心
ジャン=ピエール・シャンジュー/ポール・リクール著 合田正人訳 みすず書房 四六判384頁 定価4,725円 ISBN978-4-622-07375-8


人体観の歴史

人体観の歴史

天空を,あるいは神を見つめて宇宙観を築いたように,人間は,己の身体内部を見つめることで「人体観」を培ってきた.本書は,古代ギリシャ以来,古今の解剖学書に収録された図像や記載を手がかりに,その変遷の歴史を考究する.稀少かつ秀逸な解剖図を多数掲載.他に類をみない研究書である.

人間の境界はどこにあるのだろう?

人間の境界はどこにあるのだろう?

われわれは人間をどう定義し,人間と非人間をどう区別してきたでしょうか.霊長類学,動物の権利に関する社会運動,古人類学,進化学,文化人類学の成果は従来の人間性の概念を危険にさらし,人工知能や遺伝学の進展によって,今や「デザイナー・ベビー」を製造することすら可能になってきました.人間という概念の軌跡をたどる旅に出てみましょう.


ベルクソンとの対話

ベルクソンとの対話



宗教学の名著30 (ちくま新書)

宗教学の名著30 (ちくま新書)


ほかほかのパン 物理学者のいた街2
太田浩一著 東京大学出版会 四六判上製264頁 税込2940円 ISBN978-4-13-063603-2 2008年10月上旬



前巻、『哲学者たり、理学者たり―物理学者のいた街*3は科学者をめぐる大変面白い旅だった。今回も期待に応えてくれよう。また装幀も大変良かったし、著者が撮ったであろう、経年した外国風景の写真は味わいがある。昔のスナップ写真はどうして、かくも味が滲むのだろうか。




【芸術・生活】

雲の理論―絵画史への試論 (叢書・ウニベルシタス)

雲の理論―絵画史への試論 (叢書・ウニベルシタス)

中世から19世紀末に至るまで「雲」は西欧絵画の空に取り憑いてきた。元来は劇場の舞台装置を模倣し、聖なるものを現実世界に出現させるべく(キリスト昇天など)用いられていた雲は、ルネサンスにおいてより多義的な役割を演じ、科学を成り立たせる諸条件と密接に結びついた絵画の制度に矛盾を孕んだ均衡を与えた。「雲」という記号表現の一連の機能を絵画史の観点から明らかにした古典。

影の歴史

影の歴史

絵画の歴史と不可分であるにもかかわらず、断片的な形でしか扱われてこなかった影の歴史を、芸術表現との関連で初めて包括的にまとめた名著。注目の気鋭美術史家の主著、待望の邦訳。

フランチェスコ・ピアンタの奇矯な彫刻―エンブレムのバロック的表象

フランチェスコ・ピアンタの奇矯な彫刻―エンブレムのバロック的表象

マニエリスムの雄ヤコポ・ティントレットがヴェネツィアのスクオーラ・ディ・サンロッコに描いた絵画群を補完すべく、17世紀に奇才フランチェスコ・ピアンタが制作した木彫群は、チェーザレ・リーパによる擬人像集成『イコノロジーア』を典拠としつつ、綺想に溢れ機知に富むバロック芸術が創案した「狂気の理法」を鮮やかに表象する。

特集・シュルレアリスム美術はいかにして可能か


余白は芸術に関係がない―が、ひとつのフォルムである

余白は芸術に関係がない―が、ひとつのフォルムである


名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

ご存知、朝日出版社の大(中?)ヒット『怖い絵』*4シリーズの著者のもの。




美貌の歌姫トスカと騎士カヴァラドッシの熱く激しい愛が、変革期イタリアの激動の時代の波に翻弄され招いた悲劇を、都市ローマを舞台に視覚化したプッチーニのオペラを読み解く!

+81 Vol.41: Soundscape issue

+81 Vol.41: Soundscape issue

音楽と共にそこから広がる世界までも創造するサウンド・クリエイターと、その音世界を共有し、グラフィックや映像により視覚的表現に挑むデザイナー。ネット配信の主流化で価値が危ぶまれる音世界と音楽シーンの未来を追求する。



映画論講義

映画論講義



中年入門

中年入門



生活を哲学する (双書 哲学塾)

生活を哲学する (双書 哲学塾)

大学闘争,子育て,私塾の実験……日常の現実こそ思想の沃野,些末なことにこそ宿る真実.そこに人生のかかった一つの価値転倒の意味を,読者と共に考えます.出来事と人の記憶を掘り起こし,松田道雄吉本隆明ら,同時代の思想家と対話しながら,現実の大地に根を降ろした,新しい共同性の条件を探ります.

世界の朝時間

世界の朝時間

朝を心地よくすごすためのライフスタイル提案サイト「朝時間.jp」の人気連載コンテンツ「ワールドモーニングフォトクリップ」待望の書籍化。世界約60か所から送られてきた「世界の朝」を厳選して収録した写真集。

身近なもので生き延びろ―知恵と工夫で大災害に勝つ (新潮文庫)

身近なもので生き延びろ―知恵と工夫で大災害に勝つ (新潮文庫)

防災グッズよりもこの一冊! プロが教える実践的非常時対策。
グラッときた→家族の名前を呼ぶ→幸い皆無事→落ち着いて避難…しようと思って愕然→防災グッズは瓦礫の下だ! さあ、頭を使いましょう。今手に入るものを使って、生きる工夫をしなければ! 究極のサバイバル技術を身につけた現役海上保安庁職員であり、厳しい環境の南極の冬を2回も乗り切った著者が、その知恵と経験を生かして、誰もが近々遭遇するかもしれない大災害への対処法を伝授。


凡人として生きるということ (幻冬舎新書)

凡人として生きるということ (幻冬舎新書)



目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇

目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇

イタリア語通訳歴30年超の著者が仕事やプライベートで出会った、個性たっぷり、一筋縄ではいかない人々の話。恋愛至上主義の陽気なイタリア人気質が巻きこす陳騒動や抱腹絶倒の通訳裏話など、涙あり笑いありのエッセイ集。親友だった故・米原万里氏から?下(シモ)ネッタ?の称号を譲られた著者の面目躍如、"知的?下ネタも満載のイタリア流人間喜劇を通じて、イタリア人が分かる! 日本人も分かる!


【フランス語】

中世から現代まで珠玉の36篇
ユゴーボードレールランボーアポリネール、プレヴェール……中世から現代まで、珠玉の36篇を集めました。まず、CDを聞きながら原詩の調べに耳を澄ませてください。心に響く訳詩、わかりやすい解説文が、作品をぐっと身近なものにしてくれます。巻末にフランス詩の概要と詩人解説がついて、入門書としても最適。枕元におきたい一冊です。


整理と解説 フランス文法

整理と解説 フランス文法



美しい言葉づかい―フランス人の表現の技術 (中公新書)

美しい言葉づかい―フランス人の表現の技術 (中公新書)

ランブイエ侯爵夫人のサロンに、言葉に異常な関心を示す若い貴族が現れる。フランス人の言葉への意識を通して、表現の技術を考える




【建築・場所・都市】


建築史的モンダイ (ちくま新書)

建築史的モンダイ (ちくま新書)

エコロジー建築 新装版

エコロジー建築 新装版


健康な住まいを求めて
本当に健康で、快適な住宅とはどのようなものか──。ドイツ消費者運動特有の厳密さで、省エネから有害物質まで、ちょっとした対応で大きく変わる、理想的なエコロジー建築のプランを具体的に提示。環境との共生を追及する〈建築生物学〉の新しい視座。

斜めにのびる建築―クロード・パランの建築原理

斜めにのびる建築―クロード・パランの建築原理

ポール・ヴィリリオとともに 『建築原理』=「斜めの機能」 を提唱し、ジャン・ヌーヴェル、ダニエル・リベスキンド等へも多大な影響を与えてきた、フランス建築界の巨頭クロード・パラン。いまを代表する建築家に受け継がれ、都市構造を浸食し続ける 「斜めの建築」 の基本原理を、みずからのデザインによって〈図解〉する建築理論です。ル・コルビュジエの限界を超える古典的名著、建築界待望の初邦訳です。

聖地感覚

聖地感覚

人はなぜ聖地に引かれるのか──。
人は古来、聖地を敬い、畏れ、守ってきた。聖地には何があるのか。京都・東山を約1年半にわたって歩き、聖地で沸き起こる身体感覚をフィールドワークする。身体の古層にある聖地感覚をスピード感溢れる筆致で綴る。

都市は〈博物館〉―ヨーロッパ・九つの街の物語

都市は〈博物館〉―ヨーロッパ・九つの街の物語

都市は博物館に似ている──いい「学芸員」を得たヴェネツィア,保存展示か修復かに揺れたバルセロナドレスデン,コヴェントリ.街を博物館に見立てた歴史の旅は,グラナダエディンバラマンチェスターの思いがけない相貌をとらえ,ジュネーヴ,ダブリンをめぐる人々の物語にたどり着く.知的な刺激に満ちた連作エッセイ.

ヴェネツィアと水―環境と人間の歴史

ヴェネツィアと水―環境と人間の歴史

水都ヴェネツィアの歴史は,内海に浮かぶ自らの自然条件を守る闘いの歴史でもあった.自然災害,河川の流入,無秩序な人間活動が引き起こす破壊──.中世以来,一つの共同体としての自覚に立ち,長期的な展望をもって環境の保全に人知を結集させてきた稀有な都市の歴史をたどる.現在の地球環境問題にも大きな示唆を与える1冊.

違和感のイタリア―人文学的観察記

違和感のイタリア―人文学的観察記




【鉄道】

なぜか、新潮社がらみが多い。

日本鉄道旅行地図帳 5号 東京―全線・全駅・全廃線 (5) (新潮「旅」ムック)

日本鉄道旅行地図帳 5号 東京―全線・全駅・全廃線 (5) (新潮「旅」ムック)

待ちに待った「東京」が今月に出ます。

日本鉄道旅行地図帳 4号 関東2―全線・全駅・全廃線 (4) (新潮「旅」ムック)

日本鉄道旅行地図帳 4号 関東2―全線・全駅・全廃線 (4) (新潮「旅」ムック)

関東②

「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか (新潮文庫)

「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか (新潮文庫)

坊っちゃん』のラスト、なぜ漱石は主人公を「街鉄の技手」という職業に就かせたのか。佐藤春夫の『田園の憂鬱』で、主人公を「憂鬱」にさせた「汽車の音」の正体は。『ぼく東綺譚』執筆時の荷風は、当時の鉄道風景に何を見つけたのか──。明治から昭和初期の名作八篇中の謎と、廃線や路線変更によって生じた鉄道史の迷宮とがクロスする。ミステリの味わいを湛えたスリリングな鉄道エッセイ。

文豪たちの大陸横断鉄道 (新潮新書)

文豪たちの大陸横断鉄道 (新潮新書)

満州を珍道中した漱石、女一人でシベリアを横断した林芙美子、憧れの都パリを目指した荷風、利一、開戦間際のアメリカ大陸を駆け抜けた野上弥生子……明治以来、海外旅行は日本人にとって憧れだった。特に世界各地で張り巡らされつつあった鉄道は人々の旅愁を誘ったのである。そこには今とは対照的にスローテンポな車窓風景があった──。紀行文をひもとき、もはや忘れてしまった贅沢な時間、近代旅行史を振り返る。

ちょっと不思議なコンセプトの雑誌を発見。東海道新幹線がメインということもあって、新幹線で上京する女の子として、アイドルやタレントさんと新幹線や東京のコラボ写真があったり、意外にも細かい新幹線の萌えどころ、グッズなどの情報紹介まで盛りだくさん。「のぞみ」って阿川佐和子命名だって知ってた?

デザイン満開 九州列車の旅 (INAX BOOKLET)

デザイン満開 九州列車の旅 (INAX BOOKLET)

本書の、九州列車の車輌写真をめくっていると、九州がどこかヨーロッパのように、異国情緒が感じられるから不思議だ。コントラストを下げた、きわめて心地よい鉄道旅行の風景写真である。

電車にまつわる廃墟系風景*5、ひっそり置いてけぼりになった場所…。

廃電車レクイエム―昭和の空地にあった不思議なのりもの

廃電車レクイエム―昭和の空地にあった不思議なのりもの

戦中から戦後復興期にかけて,庶民の足として,この国の発展を支えてきた路面電車.しかし社会が豊かとなり,スピードや効率が優先されるなか,彼らはひっそりと捨てられていった──.空地や公園などに置かれていた電車たちを,主に昭和40〜50年代にかけて撮影した数々の写真とエッセイで描く,もう一つの〈昭和の風景〉.

秘境駅

秘境駅





【写真(集)・BD・漫画】


個人的すぎて、すいません。。。

吉高由里子 フォトエッセイ 吉高由里子のあいうえお

吉高由里子 フォトエッセイ 吉高由里子のあいうえお

吉高由里子写真集/吉高由里子

吉高由里子写真集/吉高由里子

もうひとつの国へ

もうひとつの国へ

若者にも絶大な人気がある写真家の森山大道が、これまでに発表した情感豊かな文章に、書き下ろしを加えたエッセイ集。写真に関する評論は抑えて、新宿や池袋での日常生活、ハワイやブエノスアイレスでの撮影の様子、女性との思い出、母親のことなどを綴った文章を収録している。「面影記」「西池袋」「ディスカバージャパン」「時のかたち」「踏み切りの在る風景」など読ませる内容。未公開写真を含めて約50点の写真を収録しており、森山大道ワールドを堪能できる。


ザ・首都高速道路

ザ・首都高速道路


写真俳句のすすめ (朝日文庫)

写真俳句のすすめ (朝日文庫)

カメラを片手に散歩に出よう! 写真+俳句が生み出す新たな創作世界にようこそ。 カメラ片手に街に出るだけで、普段、何気なく見ている風景が鮮やかに輝き始める。日常は、こんなにも感動に溢れていた! 人生をより豊かにしてくれる、知識ゼロからはじめる世界一簡単な写真俳句入門。

線が顔になるとき―バンドデシネとグラフィックアート

線が顔になるとき―バンドデシネとグラフィックアート

第一章 人の顔を描く   個と種/モデルにもとづいた肖像画とオリジナルの肖像画/性格(キャラクター)と戯画(カリカチュア)/類似性のパラドックス

第二章 役柄にふさわしい顔   マンガと観相学/類型化と解読/他人になりすまして自分を描く/「カワイイ」――最新型の幼形成熟ネオテニー

第三章 情念の表現   恒常的(パーマネント)ではないものを表す記号/表情の豊かさを表すコードと解釈/テプフェールの法則/表現の限度と補助 /過度あるいは不十分/「存在感」の問題/おもしろい顔とは?/人の姿に似せること

第四章 クローズアップの活用   クローズアップの攻撃性/クローズアップの歴史/なぜ接近するのか?

第五章 図像遊戯   生命の表現/不気味なるもの/醜女と愚者/顔が消えるとき*6

根っからBD好きの知り合いの本が出来ました。おめでたい!

ユーロマンガ

ユーロマンガ

丸々一冊をヨーロッパのマンガを紹介した日本初の漫画誌
ここ数年の内に刊行されたヨーロッパの優れたマンガを、当面は半年に一回のペースで日本の読者にお届けします。作品の翻訳はもちろんのこと、記事や作家のインタビューを通じて、まだ日本ではあまり知られていないヨーロッパマンガ事情をお伝えします。

水木しげる妖怪傑作選 2 (Chuko コミック Lite Special)

水木しげる妖怪傑作選 2 (Chuko コミック Lite Special)



【雑誌】




内田百間―イヤダカラ、イヤダの流儀 (別冊太陽)

内田百間―イヤダカラ、イヤダの流儀 (別冊太陽)



PLANTED(プランテッド)#8 (毎日ムック)

PLANTED(プランテッド)#8 (毎日ムック)



BRUTUS (ブルータス) 2008年 9/1号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2008年 9/1号 [雑誌]



PLANETS vol.5
特集など内容はこちら

Re:S vol.9 一緒にやる

Re:S vol.9 一緒にやる

何かを変えたい、あたらしいものをつくりたい、そんな思いを強くすると、ともに歩む仲間の大切さを知ります。

“コラボ”なんて簡単な言葉では語れない、仲間とともに何かを成し遂げること、今回のテーマ「一緒にやる」は、そんな結末にむかって進みます。

・一緒になって出版業界を変える!話題の出版社ミシマ社。〈東京〉
・D&Re:S!? ナガオカケンメイさんと一緒にやる?〈東京、大阪〉
青森県、脇野沢 ぼくらが一緒にやればできること。〈青森〉

大航海 2008年 10月号 [雑誌]

大航海 2008年 10月号 [雑誌]

特集は、1980年代ニューアカデミズムの功罪などを問う。

東京人 2008年 10月号 [雑誌]

東京人 2008年 10月号 [雑誌]

特集アウトロー列伝
無法者ということではなく、御上に楯突く民衆のヒーロー、反骨精神にあふれる異端者、アンチヒーローとしてのアウトローは、絶えず時代の狭間にいた。「掟」に生きたアウトローを紹介する

東京人 2008年 09月号 [雑誌]

東京人 2008年 09月号 [雑誌]

特集は東京発 とれたての野菜。苦心して新たな切り口を探しているのは、素晴らしい。

論座 2008年 10月号 [雑誌]

論座 2008年 10月号 [雑誌]

論座は今号で休刊とのこと。アクチュアルな特集を組んでいたように見えるが、世間はそう眺めてはいなかったということか。廃刊ではないので、今後の再刊を期待したい。

*1:

LOVE

LOVE

*2:14-15頁、太字赤強調は本文傍点箇所。

*3:

哲学者たり、理学者たり (物理学者のいた街)

哲学者たり、理学者たり (物理学者のいた街)

*4:怖い絵怖い絵2

*5:〈棄景〉といったっけ。

*6:本章目次より