新奇な文芸誌のゆくえ

urotanken2007-08-23




「FICTION ZERO/ NARRATIVE ZERO」(講談社文芸X出版部)という文芸誌的な単行本*1が出た。


FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO

FICTION ZERO/NARRATIVE ZERO



古川日出男が引っ張る「FICTION ZERO」に、東浩紀らの「NARRATIVE ZERO」の両サイドから読める*2ポップな文芸誌だ。蛍光色を多用していて目がちかちかして可読性に反していることは否めない(老人は対象にしていないということか)。かっこよさの追求、というのが正直な感想。文芸に読者を向かせるために、各社各誌が躍起になって頑張っている。ただ正直、今回の「NARRATIVE ZERO」に東浩紀は参画していながら、どこへ向かおうとしているのかがいまいち分からないし、小説でも評論(?)でもいいが、どの著者の書き物に注目してよいかわからない(不勉強にして)。どれだけ継続する動きなのか、続きを見てみないと何とも言えない。既存の文芸誌に、メフィストファウストen-taxi、フリーペーパーのWB(WaseBun)、文芸にこだわる意味、問いが今もなお迷走中だ。

*1:HPで確認するかぎり、新しいジャンルではなく単行本だから、正確には文芸誌ではないらしい。

*2:左右開きになってます。